2018年03月13日火曜日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/special/spe1090/20180313_01.html

宮城県仙南2市7町でつくる仙南地域広域行政事務組合と白石市は12日、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物を巡り、20日から同市のほだ木計5トンを試験焼却する日程を発表した。
 試験対象計30トンのうちの第1弾。15日に市内のシイタケ栽培農家1戸が保管する1キログラム当たり100ベクレル以下のほだ木を砕きチップ化する前処理を行う。19日夕方に焼却施設の仙南クリーンセンター(角田市)に運び、24日まで1日1トンずつ一般ごみと混ぜて燃やす。
 山田裕一白石市長は12日の定例記者会見で「農家が一時保管を余儀なくされた状況を脱却したい。しっかりとした体制で試験焼却を進めることが住民の安心、安全につながる」と述べた。
 仙南地域で汚染廃棄物の試験焼却が始まるのを受け、村井嘉浩知事は12日、報道各社の取材に応じ、岩沼東部環境センター(岩沼市)で白石市の家庭ごみを受け入れることを明らかにした。「県が広域調整に入り、汚染廃の処理が進むよう努力したい」と述べた。
 試験焼却の開始について「心から敬意を表したい。汚染廃の処理なしに復興は終わらず、最大の懸案事項だ。残り3圏域も近いうちに足並みをそろえ、スタートしてくれると期待している」との考えを示した。