毎日新聞2018年3月12日 17時45分 
https://mainichi.jp/articles/20180313/k00/00m/010/028000c

 麻生太郎副総理兼財務相が12日、森友学園関連の文書改ざん問題を巡って財務省で記者団に語った要旨は次の通り。

◆私の指示で全省を挙げて職員への聞き取りと文書の確認を行った。捜査当局の協力で決裁文書の書き換えについて調査した。その結果、昨年2月下旬から4月にかけて、本省理財局で14件の決裁文書の書き換えが行われていたことが明らかになった。これは極めて由々しきことであり、深くおわびする。二度とこうした事態が起こらないよう、財務省として引き続き調査を進め、信頼回復に努力したい。

 −−財務省本省職員の関与はあったか。
 ◆書き換えられた決裁文書は近畿財務局のものがほとんどだが、理財局の指示で書き換えられたものが出てきた。理財局の一部職員により行われたのは事実だ。

 −−詳しいことをどう調査するか。
 ◆われわれは捜査を受けている立場なので、ある程度、大阪地検の捜査が終わった段階でなければ進められない。

 −−森友学園に関する一連の報道があったので書き換えたのか。
 ◆そういう認識ではない。昨年2月下旬、佐川氏(宣寿前国税庁長官)の答弁と決裁文書にそごがあった。誤解を招くので、佐川氏の答弁に合わせて書き換えた。

 −−野党は麻生氏の進退を問うている。
 ◆私の進退については考えていない。

 −−責任を取るほどの事態とは受け止めていないのか。
 ◆いま答えた通りだ。

 −−財務省は組織として問題があるのではないか。
 ◆理財局の一部の職員によって、ということは認めなければいけない。一部の者によって全体の信頼が失われた形になったのははなはだ残念だ。財務省全体の組織が(問題だ)と考えているわけではない。

 −−何らかの圧力がないと書き換えないと思うが。
 ◆理財局の中で、局長の答弁と現場の資料にそごが出たということで(書き換えを)やったということだ。

 −−資料に基づいて答弁すべきだ。
 ◆変だから処罰された。

 −−その責任をどう考えるか。
 ◆佐川氏は減給のうえで辞めることになった。

 −−自身の監督責任は?
 ◆まことに残念だし、まことに申し訳ないと思っている。

 −−安倍晋三首相の妻昭恵氏の発言を削除したのはなぜか。
 ◆ほかの政治家の名前が挙がっている資料だったと記憶するが、それと一緒に書いてあったので、関係者の名前を全員書き換えたのではないか。

 −−首相を守るために削除したのでは?
 ◆全然関係ないと思う、文脈からして。

 −−麻生氏が書き換えの事実を知ったのはいつか。
 ◆3月11日かな。

 −−政治家や政府へのそんたくが働いたと考えるか。
 ◆考えていない。

 −−大蔵省時代には接待問題があった。
 ◆問題の本質はまったく違う。

 −−書き換えの指示系統のトップは?
 ◆最終的な決裁は理財局長だ。当時は佐川氏が理財局長だった。

 −−佐川氏の判断だったのか。
 ◆佐川氏が判断する前の段階だ。書き換えは当時の理財局の一部の職員によって行われ、最終責任者が佐川氏だということになる。

 −−隠蔽(いんぺい)ではないのか。
 ◆当然だ。