「進退については考えていない」。

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐる決裁文書の書き換え疑惑で、麻生太郎副総理兼財務相(77)は12日、書き換えは「理財局の一部の職員が行ったこと」と何度も強調し、自らの辞任を否定した。

 午後2時すぎ、東京・霞が関の財務省1階エレベーターホール。100人近い報道陣を前に、麻生氏は立ったまま、決裁文書の書き換えがあったと発表した。手元の紙を淡々と読み上げると「書き換えは極めて由々しきこと。誠に遺憾で深くおわびしたい」と陳謝した。

 「組織として問題があるのではないか」「書き換えられた資料で議論した国会への責任は」。報道陣からは旧大蔵省時代の接待汚職も引き合いに質問が飛んだ。麻生氏は「一部の者によって全体の信頼が失われた形になったのは残念」などと繰り返し、組織全体の問題ではないとの考えを強く打ち出した。

 「書き換えの背景に政治家、政府への忖度(そんたく)があったのでは」との問い掛けに、麻生氏は「考えていません」と即座に否定。財務省トップとしての監督責任を重ねて追及されると、「残念、残念、誠に残念と思っています」と早口で答えた。会見は15分弱で打ち切られ、麻生氏は足早にその場から立ち去った。

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