自由経済に信をおかない古典左翼の退潮とともに市場のことは市場にまかせろ、
といった新自由主義が野放しになったのは皮肉なことだ。
失われた20年は50年かけて出来上がった戦後社会の枠組みが曲がり角にさしかかり、溶解に向かう過程でもある。
壊すことが悪いのではなく、さしたる理論的裏付けもなく社会にタガを嵌めることを敵視する能天気が問題なのであって、
高度成長の功罪を客観的に見ることができていれば、その後の衰退も食い止めることが出来たはずだ。