毎日新聞 2018年2月23日 07時00分
https://mainichi.jp/articles/20180223/k00/00m/040/220000c

 京都大原子炉実験所(大阪府熊取町)は22日、昨年8月に運転を再開した研究用原子炉「KUR」
(出力5000キロワット)が先月、実験中に緊急停止していたことを明らかにした。停電を感知するシステムが、
機器の劣化によって誤作動したのが原因。原子炉に異常はなく、放射性物質の漏えいもなかった。
原子力規制委員会に報告し、安全確認をした上で使用を再開している。

 同実験所によると、1月23日に中性子照射の実験をしていたところ、午後7時半ごろに
「電源喪失」を知らせる原子炉スクラム(緊急停止)警報が突然鳴り、停止した。「継電器」の一部が劣化した結果、
停電を誤検知し、安全のために炉を止めるシステムが働いた可能性が高いという。
KURは安全確認を経て、1月30日に使用を再開した。

 同実験所によると、継電器は1999年度以降は更新していなかった。現在の保全計画では定期交換するルールがなく、
「今後、経年劣化対策の計画を見直したい」としている。【鳥井真平】