(2018/02/17-15:01)時事
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021700435&;g=pol

週明けの国会は、2018年度予算案の衆院通過をにらんだ与野党の攻防が激しくなりそうだ。与党は年度内成立に向け、26日にも衆院予算委員会で採決、本会議で可決して参院に送りたい考え。これに対し、立憲民主党などは20、22両日の集中審議などの場で、政府が裁量労働制の利点を強調するのに使った調査データに疑義が生じた問題などを材料に攻勢を強める。
 問題となったのは、裁量労働制による働き手は一般の労働者より労働時間が20分程度短いとする厚生労働省のデータ。これに基づき、安倍晋三首相は国会で裁量制の意義を訴えたが、答弁の撤回を余儀なくされた。
 厚労省は19日、データを精査した結果を衆院予算委に報告する。同日の予算委では、加藤勝信厚労相らの出席を求めて一般質疑が行われることになっており、立憲や希望の党などは追及ののろしを上げる構えだ。
 この問題は主要野党が結束しやすいテーマであることから、2日間の集中審議でも連携して論戦の中心に据える方針。立憲幹部は「(裁量制の業種拡大を盛り込む)働き方改革法案の提出断念を目指す」と意気込む。
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐっても、主要野党は財務省理財局長として関与した佐川宣寿国税庁長官の証人喚問を引き続き要求する。16日からの所得税の確定申告開始に合わせ、各地で佐川長官罷免を訴えるデモが起きている。データ問題と併せ、立憲は「不都合な真実は隠し、都合のいい話だけする政権」のイメージを印象付ける作戦で、幹部の一人は「国会の内外で空気をつくっていく」と語る。
 一方、予算案採決の前提となる予算委の中央公聴会は21日に開かれる。与党側は23日に分科会を開催し、26日か27日に締めくくり質疑と採決を行い、直ちに本会議に上程する日程を描いている。自民党国対幹部は裁量労働制のデータ問題について「予算案とは無関係だ」と野党側をけん制している。