(2018/02/16-20:11) 時事
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021600988&;g=soc

 確定申告の受け付けが始まった16日、学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、野党から「虚偽答弁した」と追及を受ける佐川宣寿国税庁長官の罷免を求めるデモが各地で行われた。東京・霞が関の国税庁前には1000人近くが集まり、プラカードなどを手に「納税者一揆を続けるぞ」と声を上げた。

自営業者ら批判の声=確定申告初日、佐川国税長官に
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018021600491&;g=soc

 確定申告初日に合わせたデモは、市民団体がインターネットなどで呼び掛け、野党議員も駆け付けた。関係者によると、ほかに札幌や名古屋、福岡など11都市の国税局や税務署前でも開催。呼び掛け人の一人で、東大名誉教授の醍醐聡氏は「(佐川長官に対する)憤りがわれわれに行動を起こさせた」と力を込めた。
 横断幕を手にデモに参加した立正大学客員教授の浦野広明さん(77)は、交渉記録は「廃棄済み」と答弁した佐川長官について「高齢者は領収書をきちんと保管していないと、医療費還付も受けられない」と皮肉った。無職の渡辺力さん(73)は「虚偽発言をする人を長官にした麻生(太郎財務相)と安倍(晋三首相)にも責任がある」と怒りを示した。
 一方、近くを通りかかった20代の男性会社員は、佐川長官の国会答弁について「立場があるんだから仕方がない」と擁護し、デモ参加者に冷ややかな視線を向けた。
 森友学園のある大阪では、大阪国税局前に約50人が集合。呼び掛け人で問題を初期から追及してきた木村真・豊中市議(53)は「国民の財産をたたき売りながら、誰も責任を取らず、長官も何も説明しない。あり得ない」と批判し、拳を突き上げた。デザイン事務所経営の女性(52)は「税金が総理の『お友達』に使われると思うと、申告する気が起きない。真実が知りたい」と訴えた。