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 野党各党は22日召集予定の通常国会で存在感が問われる。「安倍1強」を崩すには結束して与党に対抗する必要があるが、統一会派結成問題や安倍政権との距離の違いなど、足並みはそろわないまま。来年の統一地方選や参院選に向けて力を蓄える1年になるかどうか−−。【影山哲也、真野敏幸】

 立憲民主党の枝野幸男代表は4日、地元さいたま市内の神社を参拝し、「党として、代表として役に立てるような1年にしたい」と抱負を語った。

 立憲は野党第1党とはいえ、衆院の議席は自民党に遠く及ばない。それでも枝野氏は党の独自性を最優先し、希望の党、民進党との3党による統一会派には否定的だ。4日の記者会見では「3党でという呼びかけは終わった話。巻き込まないでほしい」と不快感をあらわにした。

 一方で枝野氏は、民進党籍を持つ議員が多い衆院会派「無所属の会」との連携には含みを持たせている。統一会派構想は3党の主導権争いの様相だ。

 民進党と希望の党は3日、統一会派の協議を開始した。民進党の増子輝彦幹事長は4日、党本部で「通常国会に向け責務を果たしていかなければならない」と職員に訓示。両党は立憲抜きでの統一会派も探っている。

 ただ、希望の党は結党メンバーに安全保障法制容認派がいるため、民進党が提示した「安保法制の違憲部分を削る」という条件を簡単にはのめない。民進、希望間の協議だけでも時間はかかりそうだ。

 一方、日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は4日、「政府・与党とは是々非々という形で対応していきたい」と記者団に語り、ほかの野党と一線を引いた。

 民進党の分裂は来年夏の参院選に向けた野党協力にも影を落としている。

 共産党の志位和夫委員長は4日の党旗開きで、参院選「1人区」(改選数1)の候補者一本化を立憲、民進、自由、社民との5党で進める考えを示した。共産党は希望の党を「自民党の補完勢力」とみて協力の枠組みから外そうとしている。

 ただ、枝野氏は会見で候補者一本化の必要性を認めつつ、「それぞれの党の立場と事情がある」と述べた。立憲、共産両党にも温度差がある。

 昨年の衆院選では野党が分裂し、自民党は圧勝した。自由党の小沢一郎共同代表は1日、東京都内の私邸で開いた新年会で「このまま野党がぐずぐずしていれば、参院選で国民の不信が野党に向けられる」と訴えたが、野党各党は協議の入り口にすら立てていない状況だ。【影山哲也、真野敏幸】