● 田村智子fb ●


障害物競走の障害物を全部かたづけて、ゴールも目の前に動かして、さあどうぞ、と加計学園にゴーサインを出す。
そういうことだったんだと、今日の文科・内閣連合審査会で質問に立ってはっきりわかりました。

ワーキンググループに出席し発言もしていたのに、加計学園の存在が議事要旨から消されていた、
このことがわかって以来、なぜ加計学園を隠すのかが、ずっと引っかかっていました。
もちろん、安倍総理と飲み食いしゴルフも一緒にしているのですから、安倍総理の関与を隠すため、
ということは根本にはあると思います。 でも、それだけなのか。

加計学園が満を持して登場するのは、今年1月10日、今治市特区だけで行われた事業者公募への応募です。
ところが、この加計学園の構想は、既存大学・学部では対応出来ない、
などの獣医学部新設4条件に照らして検証されることはありませんでした。
4条件は、昨年11月9日の特区諮問会議の決定をもってクリアしたという扱いになったからです。
この時は、京都府と京都産業大学の共同提案と、愛媛県と今治市の提案の合わせ技でクリアしたとされましたが、
京都の提案はそのために利用されたようなものです。

明らかとなった加計学園の構想は、定員160人というとんでも規模でした。
今治市の提案には定員の記載がない、また、獣医学部定員規制の緩和なのに、
安倍総理と文科大臣の連名で出された規制緩和の大臣告示には、獣医学部を1校に限り新設を認める、
というだけで、定員をどれだけ拡大するかは決めていません。 これも重要なポイントだったのです。

獣医師の新たなニーズなどの検証は終わったことにされているから、加計学園は思い通りに定員を書き込むことができた。
もしも提案の時点で160人と書いてあれば、例のないマンモス獣医学部になるのですから議論百出だったでしょう。

定員規制のある獣医学部は、志望者も多く定員割れはまず起きない。
加計学園は他の大学で深刻な定員割れを起こしていますからビジネスとして、こんな美味しい話はありません。

今日の質疑では、民進党の白眞勲議員が、韓国での岡山理科大獣医学部の学生募集資料を紹介していましたが、
誇大広告、フライング募集であることが、よく分かりました。

大学設置審議会でも、加計学園の申請は、詰め込みカリキュラム、無理な実習への厳しい意見がいくつも付され、
まともな獣医師要請ができないと、落第点がつけられたようなものでした。
それでも、指摘を受ければどこを補正すれば良いかは、加計学園にもわかります。
答えを教えてもらいながら、試験に合格したような設置可、という結果に。

結局、加計孝太郎氏のビジネスのために、国家戦略特区の不透明なシステムを利用しされ、
これを邪魔する省庁はねじ伏せられたということか。

説明がつく、とはこういうことを言うのだと、目の前がひらけたような思いです。
同時に、これほど不適切不透明な政策決定がまかり通ることへの怒りは一層湧いてきます。