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衆院選後初めてとなる衆院予算委員会が28日、2日間の日程を終えた。野党は第1党だった民進党が3分裂したなかで迎えた論戦で、追及の一貫性を欠き、論点が拡散した。与党側の要求で質問時間が大幅に削減されるなか、政権へのチェック機能をどう高めるか、今後に課題を残した。

 この日のトップバッターは、衆院選で野党第1党になった立憲民主党の川内博史氏。前日の同僚の質問を受ける形で、森友学園への国有地売却問題を取り上げ、安倍政権の姿勢をただした。

 だが、与党側の要求で野党の質問時間が大幅に削られた影響を受け、予定していた質問をできず、同党の逢坂誠二氏にバトンタッチ。逢坂氏は準備していた原発問題に関する質問をあきらめ、森友問題に質問を集中させた。

 安倍晋三首相らが「指摘を真摯(しんし)に受け止める」など同じ答弁を繰り返すなか、立憲の持ち時間約1時間半が終わり、野党第2党の希望の党に引き継いだ。

 長島昭久政調会長は「相手をたたけばいいという議論は私たちはしない」と述べ、政権との対決姿勢を鮮明にする立憲との違いを強調。与党席から拍手を浴びた。安倍政権の外交戦略についても「非常に感銘を受けた」と持ち上げ、森友問題には一切触れなかった。

 2番手の井出庸生氏は、LGBT(性的少数者)問題と農政、3番手の津村啓介氏はアベノミクスと皇室問題についてそれぞれ質問。希望の質問者5人のうち、4番手の今井雅人氏と5番手の後藤祐一氏が森友問題を取り上げたものの、続く無所属の会は、金融政策や難病対策、有償軍事援助、加計学園問題などと質問を展開し、論点が拡散した。

 衆院予算委で与党筆頭理事を務める自民党の菅原一秀氏は終了後、野党3党の質問について「野党が細分化し、ちょっとバラバラ感がある」と指摘した。立憲幹部は「戦略がないままに突っ込んでいってしまった」と悔やんだ。

 無所属の会の岡田克也代表は記者会見で、「森友・加計学園問題のような疑惑の解明に関することは野党が協力した方がいい」「立憲と希望は参院にほとんど議席がない。参院では民進が一手に議論することになり、(衆院段階で)3党が一体となってやった方がいい」と述べた。(別宮潤一)

■「森友・加計」に割いた時間、…

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