画面に安倍首相がトランプに金の刺繍入りの白い帽子を"サプライズプレゼント"した場面が映されると、スタジオは大爆笑。
ちなみに、BFFはアメリカのティーンズが使う言葉で、日本風にいうと"ズッ友"(=ずっと友だちだよ)という意味なのだが、
続いてコルベアが「DONALD & SHINZO MAKE ALLIANCE EVEN GREATER」(ドナルドとシンゾーでもっと偉大な同盟にしよう)という帽子のメッセージを読み上げると、さらに大きな笑いが巻き起こった。
 当然だろう。国家のトップが「偉大な同盟」などという政治的メッセージを帽子につけてプレゼントするなんて、普通の知性とセンスを持ち合わせている人間からしたら、何かのギャグとしか思えない。

案の定、これはコルベアの格好の餌食となった。コルベアはポケットに手を入れ、大真面目な顔をしながらこう続けたのである。
「完璧です! みなさんもご存知でしょう、歴史家の『すべての最良の外交は、帽子によって成立する』という言葉を。1945年のヤルタ会談で、ルーズベルトが配った帽子を思い出してください」
 もちろん、そんな言葉も史実も存在しないのだが、画面が切り替わると、そこには「HITLER SUX」(ヒトラーってサイテー)と書かれたベースボールキャップをかぶるルーズベルトとチャーチル、スターリンの雑なコラージュ(いわゆる"雑コラ")が。
スタジオは大爆笑。野暮なので多くは解説しないが、ようするに、逆説的に安倍首相がトランプに送った帽子の幼稚さを揶揄したのである。
 その後もコルベアは止まらない。赤坂の迎賓館で安倍首相とトランプが鯉に餌をやっている場面にかぶせて、「鯉の餌やりというのは日本の伝統的な茶道のようなもので、
その作法は瞑想的な......」などと文化背景を解説してみせるのだが、周知のとおり映像では肝心の日本首相が升をひっくり返して餌をドバー。続けてトランプもドバー。
 さらに、例の"ゴルフ外交"のあと安倍首相が、アイゼンハワーの言葉をもじって「さらに2度もゴルフをするのはよほど好きなやつとしかできない」とおもねったのを紹介して、こんなことまで言って爆笑を誘ったのだ。
「Alright, Shinzo, leave a few of the strokes on the golf course.」
 実はこれ、ダブルミーニングを使った極めて痛烈なジョーク。というのも、ゴルフのストロークはクラブを握って降る動作のことだが、英語のstrokeは撫でたりしごいたりする、すなわち卑猥な行為の意味もある。
ひっきょう意訳すれば「シンゾーは昼にトランプとゴルフしたけれど、夜はまだまだ"握り足りない"みたいですね」というふうな揶揄なのだ。