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 東京大学新聞社は10月22日に投開票が行われた衆議院議員選挙について、同月22日〜27日に東大生(院生含む)を対象にインターネット上でアンケート調査を行い、341人から回答を得た。全体の投票率は昨年の参議院議員選挙とほぼ横ばいの約75%だったが、10代の投票率が20歳以上を約10ポイント下回り、選挙への関心の差がうかがえた。比例代表では、自由民主党が約18ポイント、立憲民主党が約10ポイント、それぞれ全国の得票率を上回ったが、希望の党は伸び悩んだ。

(構成・山口岳大)

 今回の衆院選で投票したと回答した学生は約75%で、昨年の参院選とほぼ変わらなかった(図1)。約54%にとどまった全国の投票率との比較から、衆院選への東大生の高い関心がうかがえる。18、19歳の投票率は約69%と、総務省が発表した全国の18、19歳の投票率約42%を大きく上回った。ただ、20歳以上の東大生の投票率を約10ポイント下回っており、世代間で関心に差があるとみられる。

 投票しなかった理由(複数回答可)は「不在者投票を知っていたが、手続きをしなかったから」が最多で約32%。入学時に住民票を移さなかった地方出身の学生が手続きをしていないケースが多いとみられる。「学業や課外活動で忙しかったから」が約26%、「投票所に行くのが面倒だったから」が約25%で続いた。

 比例代表の投票先では、自民党が約52%、立憲民主党が約29%で、それぞれ約33%、約20%となった全国での得票率を大きく上回った(図2)。一方希望の党は全国の得票率を10ポイント超下回り、振るわなかった。

 投票先を決める際に最も重視したことでは、3割超の学生が「政権担当能力」と答え、昨年の参院選の約2割から増加した。「候補者や政党の公約」と答えた学生は、前回から約10ポイント減少の約36%。昨年の参院選に比べ、公約より政権運営を重視した学生が増加したとみられる。政党別では、自民党に投票した学生の約62%が「政権担当能力」と回答した一方、立憲民主党では同回答は約3%にとどまり「候補者や政党の公約」が約57%を占めた。

 投票した学生に重視した政策(複数回答可)を尋ねると「外交・安全保障政策」「憲法改正」が5割に迫った(図3)。東アジア情勢の緊迫化に敏感に反応した学生が多かったとみられる。その後は「税制改革・財政再建」「景気・雇用政策」と続き、経済分野への高い関心がうかがえる。

 投票する学生としない学生の二極化も明らかになった。昨年の参院選で投票した学生中約90%が今回も投票したが、昨年投票しなかった学生で今回投票したのは約42%。次の国政選挙で投票する予定があるか尋ねると、今回投票した学生の約96%が「必ず行く」「行く予定だ」と答えたのに対し、今回投票しなかった学生の場合は約55%だった。選挙に継続的な関心を示す層が一定数いる一方、それ以外の学生の流動的な投票行動が浮き彫りとなった。