会期39日間は偽装…「特別国会」実質審議はたったの1週間
2017年11月2日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/216837

一体どこが「謙虚」で、「丁寧な説明」なのか。

 1日、特別国会が召集され、第4次安倍内閣が発足。当初、与党側は会期を11月8日までにする方針だったが、12月9日までの39日間になることも決まった。

 会期が「39日間」と聞くと、意外と長く開くように感じるかもしれないが、とんでもない。水増しもいいところだ。なにしろ安倍首相の所信表明演説が行われるのは2週間後の17日。それまで国会は開店休業状態が続く。

 2日の本会議で、常任委員会の委員長を選定したら連休に入り、5〜7日、安倍首相はトランプ米大統領の来日に付きっきり。8日に天皇を迎えて国会の開会式が行われた後、安倍首相はAPECやASEAN出席のため、外遊に出てしまう。帰国後の17日にようやく所信表明である。週末を挟み、20〜22日に各党の代表質問が行われるが、23日(木)が祝日で、すぐまた週末だから、26日(日)まで国会は実質的に休みになる。審議が始まるのは、早くて27日だ。

「森友・加計問題などについて、総理が『国会の場でしっかり丁寧に説明する』と明言したこともあり、野党が求める実質審議に応じないと、世論の批判が高まりかねない。官邸の判断で、39日間という会期を提案することになりましたが、17日が実質的なスタートなので、日程的に総理が入っての予算委員会は開く余裕がないかもしれない。せいぜい衆参で1日ずつですかね。今のところ、確実に開くことが決まっているのは、内閣委員会と農水委員会だけです」(与党国対関係者)

 内閣委員会で審議されるのは、人事院勧告に基づく国家公務員給与法改正案。つまり、公務員の給与アップだ。

「さっそく役人が法案の説明に来ましたよ。『審議は12月に入ってからになる予定で、退職金の減額もセットで提出するのでお願いします』と言っていました。8月の内閣改造以降、委員会が開かれないままだから、各大臣の所信表明もまだ済んでいない。本格的な審議は12月に入ってからの実質1週間ということです。野党が会期延長を求めても、年末の予算編成を理由に会期末でさっさと閉じてしまうつもりでしょう」(野党のベテラン秘書)

 やはり、丁寧な説明なんて口先だけ。疑惑からも審議からも逃げ回り、39日間かけて公務員の給料アップを決めるだけの国会になりかねない。