GHQ押しつけ憲法史観に、いつまでたってもしがみついている諸君がいる。
自分の頭で調べたり考えたりできず、誰かに吹きこまれて妄信しているのだろうか。
世界の恒久平和を先導する平和憲法を誇りに思えないとは、日本人の誇りなき自虐の輩か。
また、戦争の汚さを体験した先人たちが憲法制定に注いだ努力を侮辱するにもほどがある。
日本国憲法のもとはポツダム宣言受諾にある。
ポツダム宣言は日本に「民主主義的傾向の伏角・強化」を要求した。
GHQは日本政府の新憲法づくりを委ねた。
松本烝治憲法相のつくった新憲法案は天皇主権で明治憲法を手直しした程度だった。
そこでGHQは米国のエリートに新憲法案をつくらせた。米国のエリートは理想主義的な民主憲法案をつくった。
そしてそれを日本政府は受け入れた。連合国から天皇戦犯論が出ている中で天皇制を維持するためだった。
女性初参加の選挙で選ばれた国会議員が、それを審議し、修正し、可決して日本国憲法は成立した。
当時の世論調査でも大多数の国民が支持した。戦争を知る世代が多い時代も支持され続けた。
戦争の汚さや戦争に至る雰囲気を知らぬ世代が増えると、きれいごとの戦争論で改憲を煽る勢力がのさばりだした。
頭の中ではもっともらしく聞こえるから、それに染まる者たちが現れた。
平和の大切さは、平和の中に生きていると実感しにくい。平和を失って初めて平和の大切さを実感する。
だが、それでは遅い。先人が平和の大切さを身をもって知って制定した平和憲法の知恵こそ本物だ。
戦後70年余の平和をつくってきた。「こうなるはずだ」の机上論は「こんなはずではなかった」になる。
人知は浅はかだ。おのれの人知を過信してはならない。歴史でためられた知恵こそ本物と知るべきだろう。