新党「希望の党」を立ち上げた小池都知事が知事を辞職し、自ら衆院選に出馬するシナリオがささやかれている。
小池氏は都知事を続ける旨を繰り返しているが、菅官房長官は29日の会見で「私は出てくるんじゃないかと思っている」と指摘。
たしかに、永田町で小池の発言を額面通り受け取る人は少数派だ。

「小池知事が出馬を決めれば、政権交代への機運が高まるでしょう。
一方で豊洲移転問題などで都政を混乱させ、就任わずか1年で知事職を投げ出すことには必ず批判がつきまとう。
小池知事は今、安倍政権を過半数割れに追い込めるか世論の動向を慎重に見極めていると思います。
もちろん、自分への“無責任批判”に対する弁明も考えているはずです」(政治評論家・伊藤達美氏)

小池氏が国政転身を表明するなら、10月5日の都議会最終日の可能性が高い。
議会で辞職を明らかにすることで、まずは都民に誠意を見せる。
翌6日の定例会見、あるいは10日の公示日の“電撃出馬”も小池氏ならあり得る。

「都知事の後継には、側近の若狭勝衆院議員や前神奈川県知事の松沢成文参院議員らの名前が挙がっています」(希望の党関係者)

しかし、小池氏がこだわっている後継知事の条件は
@都知事選で圧勝できる
A自分と連携が取れる人だという。

今、小池氏が目星をつけているのは2人。
参院東京選挙区で2連続でトップ当選した民進党の蓮舫前代表と、自民党の野田聖子総務相。
特に白羽の矢を立てたいと考えているのは野田氏のようだ。

「小池と野田は政治歴がほぼ同じですが、野田は8歳年上の小池を“ねえさん”と呼び慕っています。
2015年の自民党総裁選で野田が出馬を目指した時に小池は支援の意向を伝え、昨年の都知事選で野田は小池の選挙を裏で手伝った。
今夏には細川元首相が主導して『小池・野田新党』構想もありました。
この情報を聞きつけた官邸が総務相ポストで野田を一本釣りしたことで新党構想は立ち消えになりましたが、2人のラインはまだ生きているといいます」(前出の希望の党関係者)

野田氏はきのう、「常にタイミングを見て崖を飛び降りる(小池の)勇気はある意味、うらやましく思う」と思わず本音を漏らした。
政権交代で再び自民党が下野する恐れがある中、都知事就任は野田氏にとっても悪い話ではない。
「女性初の総理」は小池氏がなるとしても、その後、首相ポストの禅譲も見込めるかもしれない。

さて、野田氏に崖を飛び降りる勇気はあるのか。

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