森友・加計問題をはじめ、次々と浮上する新たな疑惑を意にも介さず、暴走を続ける安倍政権。
そして緊迫の度を増す北朝鮮情勢――今後の日本は、どのような道を歩むことになるのだろうか?
課題山積の現代日本に向けた“未来への提言”を導き出すべく、筆者はこの国を代表するジャーナリストである鳥越俊太郎氏にインタビューを敢行した。

筆者と編集者を快く迎えてくれた鳥越氏は、御年からは想像もできないほど若々しく、そしてパワフルだ。
現在もジム通いを欠かさず、取材当日もスポーツに汗を流した後だったという。
さすがは過去に「ダンディ大賞」を受賞しているだけのことはある。さり気なく着こなしているTシャツは、なんとアルマーニ。

しかし、そんなカジュアルな雰囲気とはまるで対象的に、インタビューはトカナの過去記事では類を見ないほど硬派な内容となったのだ。
後半、話題はいよいよ現在の北朝鮮危機へ――。

■北朝鮮情勢、戦争勃発の可能性は!?

――ではここから、やはり現在の北朝鮮情勢についてお聞きしなければなりません。
今の状況は、いずれ開戦につながるのではないかと恐れている読者も多いと思いますが、鳥越さんのご見解を教えて下さい。

鳥越俊太郎氏(以下、鳥越) 戦争にはならないだろうと思います。

なぜなら、アメリカも北朝鮮も互いに核の恐ろしさをわかっているからです。いざ戦争を始めてしまえば、これはもう本当に悲惨なことになる。
それに、北朝鮮に日本を攻撃するメリットはありません。

そもそも日本から巨額の賠償金を取りたいと思っているのに、日本の政治・経済を混乱させても仕方ない。北朝鮮は戦争をしたいのではなく、アメリカと対等に話をしたいんです。
なかなか核を放棄しないのは、リビアのガタフィ大佐やイラクのサダム・フセインの末路を見ているからでしょう。

――では、挑発がどんどんエスカレートして戦争に至る、そんな心配をする必要はないということですか?

鳥越 いえ。

戦前の日本が追いつめられたように、各国が本気で北朝鮮に経済制裁を行い、石油ルートも絶たれるとなれば、北朝鮮が自暴自棄に陥り、理性的な判断ができなくなる可能性もあると思います。
万が一にでも北朝鮮が、日本中の原発に向けて一度に核ミサイルを撃ったら、日本は間違いなく“沈没”するでしょう。それに、北朝鮮が米軍基地を狙う可能性も高い。
そうなれば、近郊に横田基地や横須賀基地がある東京も安全ではないし、そもそもルートが狂って住宅地に墜ちる可能性だってありますよ。

――恐ろしい話です。現状をどうにか好転させる方法はないものでしょうか?

鳥越  私はこうなったらもう、最高指導者同士が直接会って対話するしかないと思いますよ。

北朝鮮はとてつもなく“変な国”だから、簡単にはいかないだろうけれど、それでもエスカレートする脅し合いを抑えて、うまく事態が収まる可能性が残されているのは、トランプと金正恩の2人が面と向かって話しをすることにあるのではないかと思います。

――その発想はありませんでした。

今のように指導者同士がメディアを通して罵り合っているだけでは、互いの不信や嫌悪が深まるばかりかもしれません。
では、現在の北朝鮮危機と直結する話でもありますが、鳥越さんは日本にたくさんある米軍基地に対してどのようなお立場ですか?

鳥越 それは、もちろん反対です。

今の日本はアメリカの従属国と変わりませんが、「自分の国は自分で守る」というのが本来あるべき姿でしょう?
自衛隊は軍隊と変わらず、しかも日本の軍事力は世界の中でもトップレベルなのですから、有事の際は個別的自衛権で対処するべきです。
当然、専守防衛という基本姿勢は堅持しつつです。

■メディアもコントロール下に!? 「安倍一強」の現実

――それには、やはりアメリカの言いなりになっている安倍政権は問題ですね。

いま、北朝鮮危機の影響もあって安倍内閣の支持率が上がっていますが、7月には30%を割り込むほど下がっていました。
自民党内でポスト安倍の議論は行われているのでしょうか? 石破茂、岸田文雄、野田聖子あたりが候補ではないかと報じるメディアもありますね。

http://tocana.jp/images/Trge2_1.jpg
http://tocana.jp/2017/09/post_14571_entry.html

※続きます