「力の官庁」である法務・検察に首相官邸による論功行賞人事がおよび、「正義の不平等」が危惧されている。
 今夏、稲田伸夫仙台高検検事長(54年、司法修習生)が、僅か1年足らずで東京高検検事長へ栄転、法務・検察のトップである次期検事総長の座を確かなものにした。
 これにより、法務省の黒川弘務事務次官(56年)が、来年に高検検事長へ昇格し、稲田氏の「次の検事総長」を狙うことになりそうだ。
 黒田氏と言えば、官房長時代に「共謀罪」を盛り込んだ組織犯罪処罰法の改正に三度失敗したにもかかわらず、
甘利明元TPP担当相が絡んだ斡旋利得疑惑や、安倍内閣が推進する原発再稼働に水を差しかねない東芝不正会計問題等で、「日本最強の捜査機関」と呼ばれてきた特捜検察の捜査を封じ込め、官邸の信頼を勝ち得てきた。
森友・加計問題を巡っても、特捜を「完全に骨抜きにし、思いのままに動かした。官邸は大きな借りを作ってしまった」(官邸スタッフ)ようだ。
このまま「秋霜烈日」のバッジはくすんでいくのだろうか。