ゲンダイさんの良記事

怪しい稲田血祭り報道 本来ならば即刻、内閣総辞職
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「そもそも、なぜ最初に日報を隠したのか。
自衛隊を派遣した南スーダンが戦闘状態にあることが国民に知られてはマズイからでしょう。
だから、日報に『戦闘』と記されていたことを国会で問われた稲田大臣も『戦闘ではなく武力衝突』と
詭弁を弄していた。戦闘地域と認めれば、自衛隊のPKO派遣が憲法違反になってしまうからです。
自衛隊の日報の隠蔽を首相も了承していたかは現時点で不明ですが、
世界中に自衛隊を派遣し、憲法違反の武力行使を既成事実化したいがために、PKO5原則もなし崩しにしてしまったのが安倍首相です。
そのために憲法9条も改正しようともくろんでいる。日報隠蔽問題の発端が、安倍政権のよこしまな思惑にあることは間違いありません。」

稲田は今年2月の国会で、「法的な意味での戦闘行為はなかった」と、こう強弁していた。
「(戦闘行為が)行なわれていたとすれば、それは憲法9条上の問題になりますよね。だから、
戦闘行為ではないというこになぜ意味があるかというと、憲法9条の問題に関わるということで、
その意味において、戦闘行為ではなということでございます。」

南スーダンでは大統領派と反政府勢力との間で大規模な銃撃戦が発生し、数百人が死亡するなど内戦状態が続いていたが、
それを『戦闘行為』と認めてしまうと、憲法違反になるので「武力衝突」と言い換えている。そう開き直ったのだ。

ジャーナリストの布施裕仁氏が日報の情報公開請求をしたのが昨年9月。ちょうど、前年に安保法の成立を強行した安倍政権が、
南スーダンPKO部隊に新任務の駆けつけ警護を付与するタイミングを探っていた頃だ。国会では、憲法との整合性なども含め、
その是非が議論されていた。安倍は「南スーダンは永田町よりは危険」とナメた答弁をし、「戦闘は起こっていない」などと
詭弁を弄し続けた。そして、昨年11月に駆けつけ警護が初めて付与された部隊が出発したのだ。

そういう時期に情報公開請求された日報が「不開示」にされ、後になって”発見”されたら、そこには「戦闘」の文字がハッキリと記載されていた。
これはもう犯罪的ではないか。
不都合な情報を隠蔽して新任務を付与し、戦争法の実績づくりを急いだとしか考えられない。
これだけで、本来ならば即刻、内閣総辞職ものだ。
それを稲田の「監督責任」にスリ変え、引責辞任などとというきれいごとでフタをさせるわけにはいかないのである。

ところが、今回の辞任騒動で、メディアが論じるのは稲田個人の問題ばかり。もちろん、稲田は問題だらけで、
大臣どころか政治家の資格もないような人物だが、メディアは意図的に『個人の資質』に矮小化してはいないか?
こうなると、ケチョンケチョンの血祭り報道も怪しいものだ。5月末に自衛隊が南スーダンから撤収。その直後から、
安倍応援団の産経新聞が稲田批判の急先鋒に転じたのも、稲田と防衛相にすべてをおっかぶせて安倍を
守るための方便にも見えてくる。

「日報問題は、防衛相のガバナンスというだけでなく、政権全体の問題です。加計学園問題とも共通していて、
安倍首相にとって都合の悪い書類は隠蔽する、記憶もなくす。官邸の意向をくんで、あるものを『ない』と言い張るのは、
官僚だってツライと思いますよ。行政が歪められ、国家全体のガバナンスがおかしくなっているのです。これは、
稲田氏の引責辞任で終わらせていい話ではない。ここまで行政の混乱を招いた責任は政権トップにある。〜
マトモな政治を取り戻すには、もう内閣総辞職しかありません。内閣改造なんて、本当にやれるのでしょうか。
いまの安倍政権は、将棋で言えば、誰が見ても詰んでいるのに、投了しないで持ち時間を空費しているような状態です」