https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170727-00003519-bunshun-pol

 今年7月27日、民進党の党首辞任を電撃的に発表した蓮舫。その一因となったのは、昨年秋の党首選のときからくすぶっていた「二重国籍」問題だった。ネットを見ると、もっぱらこの件を問題視したのは保守系の識者やネットユーザーであり、彼らのなかには(蓮舫の旧国籍は台湾(中華民国)にあったにもかかわらず)「蓮舫は中国のスパイだ」といった主張を展開する人も多くいた。

 この「二重国籍」問題については、そもそも同件を「問題」と考えるか否か自体がイデオロギーの踏み絵のようになっていて取り扱いが面倒なため、今回は言及しない。筆者がこの記事で考察してみるのは、蓮舫はそもそも「中国のスパイ」になれるような人材だったのか、という疑問である。

蓮舫の著書『一番じゃなきゃダメですか?』を読んでみよう

 ここで紐解くのが、蓮舫が旧民主党政権下で事業仕分けに携わっていた2010年6月に刊行した著書『一番じゃなきゃダメですか?』(PHP研究所)だ。政治家としての彼女の生き方や政見、華人(台湾人)としてのルーツが垣間見える、現時点でほぼ唯一の書籍である。

 同書のなかで、かつて北京への語学留学経験も持つ政治家・蓮舫は中国についても大いに語っている。だが、パッと目を通しただけでもその内容がかなりメチャクチャなのだ。以下、順を追って見ていくことにしよう。

中略

蓮舫は100パーセント潔白である

 蓮舫は一部の保守派の人々が主張するような「中国のスパイ」では決してない。なぜなら、彼女は中国政府に協力して日本の政治を撹乱できるような知識も語学力も注意深さもまったく持っていない人物だからだ。私は中国分野を専門とするライターとして、蓮舫の「中国のスパイ」デマについては彼女の身が100パーセント潔白であることを声を大にして申し上げたい。

 ……ただし、野党第一党の党首たる資質も政権担当能力も、やっぱりなかったみたいなのだが。