安倍首相は体調悪化 閉会中審査に引っ張り出され…
dot.:2017/7/19 07:00
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(依頼639・全文は掲載元でどうぞ)

 森友・加計問題の疑惑を払拭できず、支持率の急落を招いた安倍晋三首相。
ようやく閉会中審査に出席する意向を示したものの、体調悪化が指摘され、最大の危機を乗り切れるのか。
一方、チャンスのはずの民進党は、情けない内輪揉めで相変わらずの自爆。
混迷の政界に突破口はあるのか──。

 安倍首相は野党が求める加計学園問題についての国会の閉会中審査に出席することを7月13日、ついに受け入れた。

 10日の閉会中審査には欧州外遊中で出席しなかったが、国民の不信感は一向に払拭されず、高水準を誇っていた内閣支持率も、惨敗に終わった都議選前後から30%台前半にまで一気に下落し、いよいよ尻に火がついてきた格好だ。

 そんな中、渦中の安倍首相の体調を懸念する声があがっている。官邸関係者がこう語る。

「安倍首相、会食はいつもどおりしているが、体調はあまり良くないようです。会議でも目を閉じたり、ボーッとしたりしていますし、しょっちゅう水を飲んでいるのが目につく。
外遊中も、あまり会談が入らなかったようだ。ロジ(スケジュール)担当が、やたらトイレへの動線を気にしていたという話もある」

 安倍首相の主治医らが所属する慶応病院関係者がこう語る。

「外遊にも消化器内科の権威である主治医が1人ついていったそうです。ただ、帰国後の顔を見ると、かなり顔がむくんでおり、体調は悪そう。安倍首相の持病の潰瘍性大腸炎はストレスがかかると悪化し、がん化する恐れもある。心配です」

 昭恵夫人との結婚記念日だった6月9日には、安倍首相が深夜に自宅で体調を崩し、主治医らが駆けつけたとも報じられた。

「その日は確かに主治医らが駆けつけたが、それほど病状は深刻ではなく、検査入院するような事態ではなかったようです。
普段は消化器内科と腫瘍センターの3人の主治医が安倍首相を診ていて、首相が慶応に来ると騒がれるから、六本木のホテル内のジムなどに医師が呼ばれ、点滴や診察などを行っているそうです」

 体調不良の影響もあるのか、国会で森友学園問題や加計学園問題を追及されて以来、安倍首相には不用意とも思える感情的な発言が相次ぎ、それがまた形勢を悪くするという悪循環に陥っている。

 安倍首相を待ち受ける課題は、加計学園問題についてきちんと説明し、国民を納得させることだ。

 7月10日に前川喜平前文部科学事務次官を参考人に呼んだ国会の閉会中審査では、政府側は「手続きに問題はなかった」とする従来の答弁を繰り返し、疑惑の解明にはほど遠い状況だった。

 特に議場が騒然としたのは、民進党の緒方林太郎衆院議員が山本幸三地方創生相に、加計学園が獣医学部の新設に必要な「4条件」を満たしているのかを詰め寄った場面だ。

 2015年に閣議決定された「4条件」では、新設する獣医学部には既存の大学にない新たな構想が具体化することや、具体的な需要が存在すること、既存の大学では対応困難であること等に合致することが求められている。

 答弁に自信がなかったのか、山本氏は聞き取れないような早口で4分以上にわたってペーパーを読み上げ続け、野党議員からは怒号が飛んだ。
同じ自民党の委員長からも「答弁は簡潔に」と注意される始末だった。
元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士は、この場面が重要なポイントだったとして、こう語る。

「野党には大臣が原稿を棒読みした『獣医学部新設を正当化する理屈』に対して、もっと斬り込んでほしかった。
国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の議事録を見ても、『4条件』に基づく獣医学部新設の是非の議論はまったくされていないのに、昨年11月9日の国家戦略特区諮問会議でいきなり獣医学部の新設を認めるという結論が出ている。
18年4月開学に間に合わせるため、WGの議論とは関係なく強引に文科省に認めさせたとしか思えません」

 政府側の「前川いじめ」も相変わらずだった。
菅義偉官房長官は杉田和博官房副長官に確認した話として、前川氏が文科省の天下り問題の責任をとってすぐに辞職せず、今年1月に「せめて3月まで次官を続けさせてほしい」と言ってきたなどと主張。
前川氏が「地位に恋々とした」という従来の主張を繰り返した。

(以下省略)