「安倍一強」の自民党政権に過信と慢心を植え付けた戦犯は他でもない。「鵺(ぬえ)」のような公明党と、「戦わない野党」の民進党である。

 公明党は東京都議選で都民ファーストと選挙協力を組んで自民党と戦ったが、選挙が終わると「自公連立にはいささかの揺るぎもない」(山口那津男・代表)と旗を巻いてヨリを戻した。候補者を全員当選させることだけが目的だったのだ。

 こんなどっちつかずの政党があると、選挙で民意が正確に反映されない。

 公明党が議席を持つ全国9つの小選挙区(※注)には「自民の候補がいないから仕方なく公明候補に投票している人が多い」(東京12区の有権者)という。それなら、違う選挙区の有権者が票を交換する落選運動の手法「ボート・スワッピング」で「公明候補落選」の取引をする落選運動が大きな効果を発揮するはずだ。

【※注/北海道10区、東京12区、神奈川6区、大阪3区・5区・6区・16区、兵庫2区・8区】

 民進党もいらない。口では臨時国会召集を要求しながら、都議選が終わると民進党都連会長代行の長妻昭氏ら衆院予算委員会理事らは、自民党理事の菅原一秀氏(前都連会長代行)らと呉越同舟で米国視察旅行(7月9〜16日)に旅立った。前川喜平・前文科相事務次官の参考人招致(10日)に予算委員会の精鋭部隊はいない。

 この国の政治に自民党に対抗しうる新たな勢力が生まれるためには、民進党を一掃するのが早道なのだ。

 参院議員の蓮舫代表は次の総選挙に東京の小選挙区から出馬することになる。後見人の野田佳彦・幹事長は「都議選で安倍政権にノーが示された」とまるで勝ったような言い方をしたが、都議会で共産党の4分の1の泡沫勢力となった自分の党の足元が見えていない。公約破りの増税で民主党政権(当時)に対する国民の期待を裏切ったこの元総理には、次の選挙で去ってもらおう。蓮舫氏とともに落選させれば、民進党は自ずと解体に向かう。

 前原誠司氏が次の代表に名乗りをあげても無駄な延命措置でしかない。野田氏も前原氏も「オレたちは間違っていない」と思い込んでいるから、これからの政治を任せるわけにはいかない。

 ましてや都民ファーストに勢いがあると見るや泥船の民進党を抜け出した長島昭久氏、みんなの党、維新と党を渡って都民ファースト入りを目指す渡辺喜美氏ら根無し草の政治家たちは、いずれ自民党が弱体したときに補完勢力として取り込まれるのが関の山だ。国民が自分の「1票の力」を信じて効果的に使いさえすれば、必ずこの国の政治を変えることができる。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170714-00000018-pseven-soci