道新釧根政経文化懇話会(代表幹事・菅原淳北海道新聞釧路支社長)は12日、釧路市内のホテルで例会を開き、札幌出身のノンフィクション作家保阪正康氏(77)が「憲法施行70年 いま歴史から何を学ぶか」と題して講演した。

 昨年8月8日に天皇陛下が退位の意向をにじませた「お言葉」をビデオメッセージで表明したことについて、保阪氏は「天皇が初めて自己主張した。『人間宣言』に等しい内容だった」と指摘した。

 天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議で専門家として意見表明した経験から、「お言葉」表明から今年6月に退位を可能にする特例法の成立までを「終身在位は非人間的だという天皇の叫びにどう答えるかの10カ月だった」と振り返り、特例法が退位を一代に限ったことについて「天皇のメッセージと政治の間にすきま風がある」と訴えた。

 天皇陛下は戦後60年の節目の2005年に米自治領サイパン島、戦後70年の15年にはパラオ、翌年にはフィリピンをそれぞれ慰霊のため訪問した。保阪氏は「慰霊を繰り返しながら現地の人のお墓の前でもひたすら頭を下げている。ご迷惑をかけたということに対して謝罪の意思を持っていると思う」と述べ、天皇陛下の平和への思いを解説した。

7/13(木) 7:01配信
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