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 法務省は13日、17年半ぶりに再審請求中の死刑囚の執行に踏み切った。確定判決を重視し、死刑囚の中で執行の優先順位をめぐって不公平さを生じさせないようにしたい狙いがある。ただ、死刑廃止を求める市民団体からは反発が出ている。

 西川正勝死刑囚(61)は1991〜92年、兵庫、島根、京都の3府県で女性4人を殺害するなどした「警察庁指定119号事件」に問われ、2005年6月に最高裁で強盗殺人などの罪で死刑が確定した。

 関係者によると、西川死刑囚はこれまでに再審請求を複数回行い、その都度、棄却されたが、現在も再審請求中だった。

 西川死刑囚は死刑廃止を求める団体の2008年のアンケートに対し、「弁護側の主張を聞いてくれない点に怒りを覚え、納得いかないので闘っている」と心中を明かしていた。

 法務省はこれまで、死刑の重みを最大限考慮し、再審請求中だったり、事件の共犯者が公判中や逃亡中だったりした場合は、執行を回避する傾向があった。今回の執行で確定死刑囚は125人となり、うち92人が再審請求をしている。

 前回、再審請求中に死刑が執行されたのは1999年12月。法務省内では「罪を受け入れた人が執行され、受け入れない人が執行されないのでは不公平感が生まれる」との声も出ていた。