北海道定期航路検討 日露次官級協議で8月議論
毎日新聞:2017年7月12日 08時00分
http://mainichi.jp/articles/20170712/k00/00m/010/190000c

 日露両政府は、北方領土での共同経済活動の実現に向け、北方領土と北海道を結ぶ定期航路を開設する検討に入った。
日露外交筋が明らかにした。
既にロシア側から打診があり、8月下旬にモスクワで開く日露次官級協議で議論する方向だ。
日本政府としては、定期航路へのロシア法適用を避けるなど、共同経済活動と同様に日本の主権が侵害されないような法的枠組みを求める方針で、慎重に協議を進める。

 定期航路の開設はロシア側の要望。
共同経済活動に関する日本の官民調査団が6〜7月に国後、択捉、色丹の3島を訪問した際に、北方領土を事実上管轄するサハリン州のコジェミャコ知事らと話題にしたとみられる。

 共同経済活動では観光、小売り、漁業、医療などの事業を検討しており、定期航路があれば日本から関係者の渡航が容易になる。
活動に必要な物資や商品などの輸送にも活用できる。
調査団に参加した複数の企業関係者も開設を求めていた。

 元島民や領土返還運動関係者らが査証(ビザ)なし交流で北方領土を訪問する際は、チャーター船で北海道根室市の根室港から、北方領土の出入域地点がある国後島に向かっている。
このルートを軸に定期航路を検討する。
現在、北方領土を訪問する枠組みは、ビザなし交流▽元島民らによる墓参▽元島民らによる自由訪問−−の3方式で、こうした訪問での定期航路活用も視野に入れる。