自民に人材なし 内閣改造は谷垣氏“復活入閣”が頼みの綱
日刊ゲンダイ:2017年7月12日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/209215

 ついに“安倍シンパ”のNHKと読売新聞の世論調査でも、支持と不支持が逆転してしまった安倍首相。
本人は8月3日に「内閣改造」を行い、なんとか支持率をアップさせるつもりだ。
しかし、党内を見渡してもロクな人材が見つからず、サプライズなしの超地味な組閣になる可能性が高いという。

「安倍首相は、まず旧来の支持層を固めるつもりのようです。自民支持層が離れつつあることが、都議選の結果で分かったからです。
失言の少ない堅実な実務派を入閣させるとみられています。ただ、支持率をアップさせるためにはハデな人事も必要。相当頭を悩ませているようです」(官邸事情通)

 ハデな人事として目を付けたのが、小泉進次郎氏と橋下徹氏だ。しかし、2人の入閣は早々と消えたという。

「進次郎氏の入閣は、あまりにも“人気取り”が露骨で、国民に見透かされ逆効果になる可能性が高い。進次郎氏本人も打診があっても断ると決めているようです。
機を見るのに敏な橋下さんも“泥舟”状態の政権に入るつもりはないでしょう」(永田町関係者)

■“ポスト安倍”に色気の麻生大臣を「牽制」

 追い詰められた安倍首相。いま考えているのが、入院中の谷垣禎一前幹事長の入閣だという。

「昨年の自転車事故から1年経過し、状態は徐々に回復している。病院では車イス生活ですが、杖で歩行リハビリもこなしているといいます。
安倍首相はもともと、自分と正反対であるハト派で温厚、政策通の谷垣さんを取り込むことで党内と国民に安心感を与え、反安倍の動きを抑えてきた。ゴーマンだと批判されている悪評を払拭するためにも、誠実な谷垣さんはうってつけです」(永田町関係者=前出)

 谷垣氏の登用は、派閥を拡大させ、「ポスト安倍」に色気を見せる麻生太郎副総理兼財務相への「牽制」にもなる。
麻生大臣は、谷垣派を合流させようとしているが、派閥領袖の谷垣が重要閣僚として重用されれば、子分たちも簡単には麻生派に流れないというわけだ。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

「安倍首相は麻生氏の動きに神経質になっているといいます。ただ、1カ月後に谷垣氏の回復が間に合うかは不透明です」

 内閣改造をしても支持率がダウンしたら、安倍内閣は一気に死に体に向かう可能性が高い。

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