東京都の小池百合子知事(64)は11日午前、同日から始まった通勤電車の混雑緩和を目指す取り組み「時差Biz」の実施状況を、東京・新宿区の地下鉄都営大江戸線新宿西口駅などで視察した。

 視察後に記者団の取材に応じ、「大義として生産性を上げるということがあるが、一方で働きやすさという共感が広がれば、定着していくのではないか」などと混雑緩和に自信をのぞかせた。満員電車の解消は、小池氏が昨年夏の知事選で掲げた公約の一つでもある。

 首都圏の通勤電車は午前8時から9時ごろが混雑のピークで、混雑率は東京メトロ東西線の木場−門前仲町間の199%(2015年度)が筆頭。JR総武線なども同水準で、10年以上前から改善が進んでいないのが実情だ。

 時差Bizは「生産性を上げ、満員電車から少しでも解き放たれることがポイント」(小池氏)。実施期間は11〜25日の期間で、都や鉄道会社、企業など約260の企業・団体が参加している。

 鉄道利用者側は時差通勤、テレワーク、オフピーク通勤などで対応。鉄道各社は、東京メトロ東西線と半蔵門線が平日早朝に列車を増発するほか、京王電鉄が混雑時間の前後に新宿駅でポイントを付与するなどの取り組みを行う。

 小池氏はまず、新宿西口駅改札付近に“出勤”。取り組みに参加している日用品食品大手企業が、飲料やアイスクリームを通勤者に配布して早朝時間帯通勤の“お得”さをアピールしている様子を見学した。

 その後、東京・世田谷区の東急線二子玉川駅近くで東急が展開しているシェアオフィスに移動。担当者から説明を受けた。シェアオフィスは複数の利用者が共同で利用するオフィスのこと。テレワークで利用すれば、都心に通勤しなくてもすむ。

 さらに二子玉川駅構内では、ポスターなどで時差Bizを利用者に知らせている様子などを視察した。

7/11(火) 13:22配信 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170711-00000521-sanspo-soci