東京都議選(定数127)で第5勢力に転落した民進党内で、議席数が選挙前より2少ない5にとどまったことへの評価が分かれている。議席占有率はわずか4%で、19議席を獲得した共産党にも大きく水をあけられた。一般的な評価は「惨敗」に違いないが、どうも民進党内は違うようだ。

 一時は0議席も懸念されたことなどから「許容範囲内」とする見方と、現職都議が選挙前に離党ドミノを起こした経緯を踏まえ「明解な敗北」とする見方が混在しているのだ。党執行部は近く地域ごとに党所属議員らの意見を聴く方針だが、態勢刷新を求める声や離党予備軍を抱えての総括は容易ではない。

 「われわれに足りなかったもの、われわれが猛省しなればいけないものを緊急に厳しく総括し、改善策を早期に講じていきたい」

 蓮舫代表(49)は4日、党本部で記者団に対し、都議選の結果を「極めて深刻」と評した上でこう述べた。

 自身を含む党執行部の責任論については「地方議員選挙なので、直接的には責任をどうのこうのとは考えていない」と続投する意向を表明した。先だって開いた党常任幹事会でも「最前線で引き続き頑張りたい」と意欲を示した。

 野田佳彦幹事長(60)も3日の記者会見で「存在感を示せなかったのは残念だ」と述べ、安倍晋三政権への批判票が小池百合子都知事(64)が率いた「都民ファーストの会」に流れたと分析した。一方で、態勢刷新について問われると「解党的出直しと言う前に、自分たちのやってきたことに対して一定の自負を持たないといけない」と否定的な見方を示した。

 野田氏はまた、自民、民進両党と都民ファーストの都議選での立ち位置をサッカーに例え「(民進党は)懸命にドリブルして敵陣(自民党)に攻撃していった。最後にゴールを決めたのは都民ファーストだが、攻撃があったが故に自民党の大敗につながった」と強弁した。結果に対し自己批判と自己肯定の両方が必要との認識をにじませた。

 実際、都議選の結果をめぐっては、民進党内でも見方が分かれている。

 比較的前向きに受け止めている議員は、一時は「議席は0か1に激減し、都議会民進党は壊滅的な状況に追い込まれる」と懸念されていたことを踏まえ、5議席を「許容範囲内」「健闘」とみる。

 自民党が歴史的惨敗にあえいでいる今こそ結束し、党勢回復の好機とすべきだとの考え方もある。今「蓮舫降ろし」などの内輪もめを起こせば、ますます支持が離れ、国政でも自民党への批判票を取り込めなくなるおそれがあるからだ。

つづく

7/11(火) 9:00配信 
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