山本幸三地方創生担当相は十日の衆院閉会中審査で、政府が決めた獣医学部新設に必要な四条件などを四分半以上も話し続け、秋元司内閣委員長(自民)に「答弁は簡潔に」と注意を受ける場面があった。

 緒方林太郎氏(民進)が「四条件は現時点でも満たされているのか」と質問したのに対して「当然、そう思っている」と答弁。その上で、四条件についての説明を続けた。野党議員が「どこまで(答弁書を)読むんだ」と抗議しても、山本氏は「四条件を聞いているんでしょ」と反論して続けた。

 緒方氏は「今の説明が分かりやすかった、すとんと(胸に)落ちた国民がどれだけいたか。安倍政権の姿勢を強く疑わせる答弁だ」と反発した。

 その後も山本氏は吉川元氏(社民)への答弁で、永岡桂子文部科学委員長(自民)から再三「答弁は簡潔に」と注意されながらも、獣医学部新設が認められなかった経緯などについて従来の説明を繰り返した。

 安倍政権は二〇一五年六月に閣議決定した「日本再興戦略」で、獣医学部新設に関する四条件を明記した。内容は(1)既存の獣医師養成ではない新たな構想の具体化(2)ライフサイエンス分野での新たな需要(3)既存の大学・学部では対応が困難(4)近年の獣医師の需要動向を考慮。 (大野暢子)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201707/CK2017071102000115.html