7月11日 5時03分

学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、衆・参両院で行われた閉会中審査を受けて、野党側は疑惑が深まったとして安倍総理大臣に出席を求め、予算委員会も開くよう、与党側に迫っていく方針です。これに対して自民党は、質疑を通じて明らかになった新たな事実はないとして開催に慎重な姿勢を示していて、与野党のせめぎ合いが続く見通しです。

国会では10日、国家戦略特区での学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、衆・参両院で、文部科学省の前川・前事務次官らを参考人として招致して閉会中審査が開かれました。

この中で前川氏は「私が『ゆがめられた』と思うのは、規制緩和の結果として、『加計学園』だけに獣医学部の新設が認められたプロセスであり、不公平・不透明な部分があるのではないか」と指摘しました。

これに対し、国家戦略特区を担当する山本地方創生担当大臣は「一点の曇りもなく、ルールに基づいてやってきた。個別の案件に、官邸の意向が入る余地はない」と反論しました。

野党側は、民進党の蓮舫代表が「疑惑は深まった。安倍総理大臣が出席しなければ明らかにならないことも、たくさん出て来ている」と指摘するなど、安倍総理大臣に出席を求め、予算委員会でも閉会中審査を行うよう、引き続き与党側に迫っていく方針です。

これに対して与党側は、内閣支持率の下落も踏まえ、野党側の出方を見極めながら対応を判断したい考えですが、自民党の竹下国会対策委員長は「前川氏の主張も野党側の質問も、何も新しいことがなかった」と述べ、予算委員会の開催に慎重な姿勢を示していて与野党のせめぎ合いが続く見通しです。

URL先に動画があります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170711/k10011053151000.html