国有地の大幅値引きや補助金の不正受給など、森友学園をめぐる一連の問題の発覚から5カ月。籠池泰典・前理事長が10日、初めて大阪府議会の証言の場に立った。これまでの公の場での発言に沿う形で、府や安倍晋三首相については冗舌だったが、疑惑については口をつぐんだままだった。

 学校法人「森友学園」(大阪市)が開校を目指した小学校の設置認可などをめぐり、大阪府議会は10日、本会議に籠池泰典・前理事長を参考人招致した。籠池氏は開校に向けて、複数の府職員や政治家に働きかけをしたと改めて発言。一方、大阪地検特捜部が捜査している補助金の不正受給などの疑惑については答えなかった。

 籠池氏は冒頭、「国有地の大幅値引きなどあり得ないことがたくさんあった。私だけがトカゲのしっぽ切りのように罪をかぶせられるのではないように」と、真相究明を訴えた。そのうえで、強い調査権限を持つ特別委員会(百条委員会)を設置するよう求めた。

 大阪維新の会、自民党、公明党の3会派の質疑で、籠池氏は、小学校の設置認可の申請書を提出した段階で府の担当者から「これで(府私学審議会は)行けますというお言葉をいただいた」と述べ、府が協力的だったと主張。私学審担当の当時の担当部長からは「頑張らせていただきます」と言われたと語った。この部長は同日、朝日新聞の取材に「話したこともない」と否定した。

 また、国会での証人喚問と同様、国有地の取得で、自民党の鴻池祥肇参院議員に働きかけたことも改めて証言。また、小学校の設置認可をめぐり、日本維新の会の東徹参院議員に相談したことも改めて語った。鴻池、東両氏はこれまでに不当な働きかけは否定している。

一方、学園が小学校建設で金額…

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