文部科学省の現役職員からは、前川喜平・前事務次官への共感と批判の双方が聞かれた。

 「言葉に力があった。(答弁した)他の役人と比べ、迫力があった」。ある職員は、仕事の合間に聞いた前川氏の言葉にそんな印象を受けた。現役時代の仕事ぶりから、うそをついて自らの保身を図ることは考えられないという。「政権をおとしめるとかそういう意図はなく、ただ正確に真摯(しんし)に答弁したのだと思う」

 一方、幹部の一人は、「現役時代には、内閣府とほとんど戦ってくれなかった。いったん決まったことを後でひっくり返そうとするのは、現役の我々にとっては後ろから弾を撃たれているようなもの」と不満をあらわにした。常盤豊・高等教育局長が国会で「記憶にない」と繰り返したことについてこの幹部は「置かれた立場に沿って話すのは当たり前。役人とはそういうものだ」と理解を示した。(高浜行人)

http://www.asahi.com/articles/ASK7B5R5ZK7BUTIL04C.html