衆参両院は10日、国家戦略特区を利用した学校法人「加計かけ学園」の獣医学部新設を巡り、閉会中審査を開いた。

 参考人として出席した前川喜平・前文部科学次官は、「初めから加計学園に決まるようプロセスを進めてきたように見える」と主張した。政府側は全面否定し、特区認定の経緯は適切だったと反論した。野党は疑惑は払拭ふっしょくされていないとして、安倍首相出席での予算委員会の集中審議などを求めている。

 閉会中審査は、衆院は文部科学、内閣両委員会、参院は文教科学、内閣両委員会の連合審査の形でそれぞれ行われた。欧州外遊中の首相は出席しなかった。

 前川氏は、特区認定を巡って「(所管する)内閣府の背景に首相官邸の動きがあった」と述べ、自身に対し、和泉洋人首相補佐官ら官邸側から早期開設に向けた直接的な働きかけがたびたびあったとした。その上で、同学園の理事長が首相の長年の友人であることから、首相の意向が働いたとの見方を強くにじませた。

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