07月10日 21時12分

青森駅前の複合商業施設「アウガ」を運営していた第三セクターの経営破綻の責任を追及するため、青森市議会に設置されたいわゆる「百条委員会」をめぐり、小野寺市長が「予算提案権を脅かす」として審議のやり直しを求めたことを受けて、10日、臨時の市議会が開かれました。

採決の結果、「百条委員会」の設置は無効となりました。

青森市議会は、「アウガ」を運営していた第三セクターが債務超過に陥って解散した問題をめぐり、先月、行政などの責任を追及するため法律に基づく調査権を持つ「百条委員会」を設置する決議を賛成多数で可決しました。

これに対し小野寺市長は、「決議を提出した議員が『調査経費を市の予算から出す』と発言をしたことが市長の予算提案権を脅かす」として、審議をやり直す「再議」を求めていました。

これを受けて10日、臨時の市議会が開かれ、決議を提出した議員は「市長は発言を抜き出している。

前後の文を考えれば、予算提案権を脅かすものではない」と再び可決するよう訴えました。

これに対し、小野寺市長は、「議会での発言は単なる思いではない。

市として素直に受け止めた」と述べました。
採決の結果、再可決への同意が17、不同意が15と、同意の数が上回りました。

しかし、予算に関する「再議」の場合再び可決するのに必要とされる出席議員の3分の2以上の同意は得られず、「百条委員会」の設置は無効となりました。

採決のあと、小野寺市長は、「妥当な判断をしてもらった。今回は異例なので今後は議会の議決を尊重し、真摯に協力していく」と話していました。

この採決のあと、青森市議会は、市民から請願があったとして、改めて百条委員会を設置するか審議することを決めました。
結果によっては、再び設置されることになり、百条委員会を巡る迷走が続いています。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/6084937951.html