「背後に官邸の動きがあった」。学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐる問題。
10日午前の国会参考人招致で文部科学省前事務次官の前川喜平氏(62)はこう証言し、改めて首相官邸が計画推進に関与したと主張した。

自民党の議員から「現職中になぜ(歪みを指摘するなど)職責を果さなかったのか」と問われると、反省の弁を口にする一幕もあった。

衆院文部科学、内閣両委員会合同の審査となったこの日の参考人招致。前川氏は右手にかばん一つを持って閉会中審査を行う衆院第1委員室に入室。
官邸側のキーマンとなる菅義偉官房長官、萩生田光一官房副長官らも姿を現した。

最初に質問に立った民進党の福島伸享氏は冒頭、出席しなかった安倍晋三首相を「なぜG20(20カ国・地域首脳会議)の後に帰ってこないのか。
国民感情からかけ離れている」と批判した。

続けて福島氏は、文科省内で見つかった萩生田氏が「安倍首相が新獣医学部の開学期限を平成30年4月に設けるとの意向を示した」との趣旨の発言をしたと記されたメモについて質問。

前川氏は証言席までゆっくり歩き、「獣医師の需給の見通しを立てるためには農水省や厚労省の参画が必要というのが文科省の認識で、その調整をしてもらいたいというスタンスだった」と説明。
その上で「結局、(参画要請は)うまくいかなかった。内閣府が話を進めるに当たっては背後に官邸の動きがあった」と改めて官邸の関与を指摘した。

また前川氏は、議論の焦点について「(獣医学部新設で)どういう条件を付して、どういうことが起きたのかが焦点」と指摘。
「(規制緩和の)穴の開け方に不透明さがある」と指摘すると、野党席からは「いい答弁だ」などの声が上がる一幕もあったが、前川氏が新たな事実を明かすことはなかった。

7/10(月) 12:04配信 産経新聞
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