豊田真由子衆院議員(42)=埼玉4区=の秘書に対する暴言・暴行疑惑を受け、自民党埼玉県連は7日、豊田氏の離党届が受理され次第、公募を軸に後継候補の選定に入る方針を固めた。4区支部長の交代は既定路線で、地元でも支援者の「豊田離れ」が進む。県連は今回の問題による有権者の不信感払拭(ふっしょく)を狙い、後継は官僚以外で地元に根ざした人から選びたい意向だ。

 同日、国会議員を除く県連幹部がさいたま市内で集まり、今後の対応を協議。党本部ではなく、県連主導で後継候補を決める方針を申し合わせた。幹部の一人は「(豊田氏の)態度は議員、人間としてやってはいけないこと」と切り捨て、離党は避けられないとの見通しを示した。

 豊田氏は千葉県出身。東大卒の元キャリア官僚で、2012年の衆院選で県連の公募に応じて立候補した“落下傘”だった。不祥事が相次ぐ当選2回の「安倍チルドレン」の一人。県連幹部は、豊田氏を選んだときは「時間的な制約があるなかで決めてしまった。立派な経歴に引きずられ、人格的な瑕疵(かし)までは見抜けなかった」と悔やむ。その反省に立ち、今回は「透明性のある公募で公平、公正に時間をかけて選ばないといけない。地元が納得し、応援したくなるような支部長を選びたい」と語る。

 豊田氏の地元(朝霞、志木、和光、新座各市)の視線も「次」に向いている。

 前回の選挙で豊田氏を支援した自民党支部役員は、「辞めずに粘っても選挙はだめだ。どこにでも顔を出しては愛敬を振りまいて受けていたが、『このハゲー』などの暴言はひどい。おしまいだ」と突き放した。選挙区内の首長の一人も、「落下傘はもうこりごり。『今度は地元の候補者がいい』との声がある」と明かす。

 衆院議員時代に4区の地域を地元としていた上田清司知事は同日、「(豊田氏が)離党して党に迷惑はかけません、で終わっていいのか。有権者に迷惑をかけていることに思いが及ばないのかな」と批判し、出処進退については「本人が考えるべきこと」と話した。(金子智彦、斯波祥)

2017年7月9日 14時39分 朝日新聞デジタル
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/13313023/