ドイツ・ハンブルクで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議は、
日米両首脳が北朝鮮問題で連携の強さを発揮する機会となった。

安倍晋三首相とトランプ米大統領は8日午後(日本時間同日夜)に会談し、その成果を確認しあった。

「G20の締めくくりにドナルドと会談できてうれしい」

首相はトランプ氏をファーストネームで呼び、6日の日米韓首脳会談に続いて会えたことを喜んだ。

 日米首脳会談は一時、見送りの観測も出ていた。
G20開会前は開けなかったが、閉会直前に実現し、両首脳はG20での一連の会合を通じて
日米同盟が周辺各国との関係を改善する基盤になっていることを再確認した。

 日米首脳の接触が米中首脳会談の直前のタイミングになったこともプラスだった。
日米首脳が足並みをそろえ、北朝鮮への圧力強化に向けて建設的な役割を果たすよう
中国に念を押す格好になったからだ。

今回のG20で日米は北朝鮮問題で連携して動いた。7日午前の非公式会合はテロ対策がテーマで、
首相は北朝鮮の脅威が経済にも悪影響を与えているとし、「国際社会として圧力を強化すべきだ」と訴えた。

 トランプ氏も同日の別の会合で北朝鮮問題を取り上げたという。ドイツ有力誌シュピーゲル(電子版)は
「世界経済と貿易がテーマにもかかわらず」と否定的に伝えた。
それでも、今や北朝鮮の弾道ミサイルが米本土にも到達しかねない状況に、
トランプ氏も北朝鮮の非道を訴えずにはいられなかったようだ。

「北朝鮮問題で首相と引き続き協議したい」首相にこう語ったトランプ氏。
日米同盟は今後、さらに重要性を増すことになるだろう。(ハンブルク 原川貴郎)

http://www.sankei.com/politics/news/170709/plt1707090010-n1.html