先月25日の横須賀市長選で落選した吉田雄人市長(41)の退庁式が7日、同市役所で開かれた。

吉田市長は大勢の支援者や職員から花束を受け取り、「多くの市民に支えてもらった。感謝の気持ちだけだ」とあいさつ。
式に先だって開いた最後の会見では2期8年を振り返り、「ものすごく有意義だった」と述べた。

任期は9日までで、上地克明新市長(63)は10日に就任する。

午後5時半から1階市民ホールで開かれた式には、支援者や職員ら約500人が集まった。

吉田市長は冒頭、「あのような結果になり申し訳ない」と謝罪。
「横須賀の未来を担う若い人たちのために仕事ができたのは大変ありがたいことだった」などと涙ながらに語り、
大きな拍手に包まれながら慣れ親しんだ市役所を後にした。

会見では「財政的な規律に道筋を付けてきた」と振り返った上で、今後については「横須賀への思いが失われた訳ではない」と強調。
後援会を解散するなど政治活動にいったん区切りを付けるとしたが、
「いつの日か横須賀・三浦半島で私が必要とされる時が来たら、
それに応えられるような人間でありたい」とも述べ、将来の政界復帰に含みを持たせた。

一方で上地新市長に対しては「横須賀のために誠心誠意働いてほしい」と注文を付けた。

吉田市長は市議を経て2009年、33歳の若さで現職だった蒲谷亮一氏を破り初当選。
13年には副市長だった広川聡美氏に約1万票差をつけて再選を果たした。

しかし3度目の選挙を控えた3月、自身の名刺裏面に観光船の割引サービス案内を記載した上、
市選挙管理委員会から「公選法に抵触する恐れがある」と指摘された際、「注意されるまではやりたい」と発言していたことが発覚した。

市議会はこの問題で5月、辞職勧告決議案を可決。
吉田市長は「任期満了に伴って行われる6月25日の市長選で市民の信を問いたい」と述べていた。

選挙戦では前市議で自民、民進、公明の3党が推薦する上地氏と事実上の一騎打ちとなったが、
組織力で勝る上地氏に約1万2千票差で敗れた。

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