政府は、女性活躍を推進するため、平成31年度をめどにパスポートの旧姓併記を拡大する方針を決めた。
29年度の「女性活躍加速のための重点方針」に盛り込んだ。

重点方針ではこのほか、各企業での女性活躍の取り組みを促すため、育児休業の取得状況や残業時間の公表義務化を検討する。
重点方針は毎年、女性の活躍に向けて政府が取り組むべき重要課題について、全閣僚が参加する「すべての女性が輝く社会づくり本部」で策定し、予算編成で各省庁からの概算要求に反映させている。

パスポートの旧姓併記については、現在も海外での仕事で旧姓が定着している場合などに限って認められているが、活動実績の証明書などが必要になる。
政府はこの条件を緩和し、届け出だけで広く使用できるように見直す考えだ。
現在はかっこ書きで記載しているが、他国の事例などを基に書式の変更も検討する。

すでに旧姓併記の方針が決まっている住民票やマイナンバーカードは、30年度以降に速やかに旧姓併記が可能となるよう、関係法令の改正とシステム改修を実施する。
銀行の口座名義などでも旧姓が使いやすくなるよう、金融機関にも働き掛けていく。

また、重点方針では、企業による残業時間などの公表の在り方に関し「女性が活躍するために必要な個別の企業の情報が確実に公表される方策について検討する」と明記した。
厚生労働省が来年度に労働政策審議会(厚労相の諮問機関、労政審)で具体策の議論を始め、32年度からの見直しを目指す。

法令が未整備のため国内で流通していない「乳児用液体ミルク」の普及も後押しする。
液体ミルクは粉ミルクと違って封を切ればそのまま飲めるため、育児負担の軽減につながると期待されている。
海外では広く普及しているが、国内では安全性を担保する規格基準がないため製造されておらず、関係審議会や事業者ヒアリングなどを通じて基準づくりを進める。

産経ニュース 2017.7.3 07:42
http://www.sankei.com/politics/news/170703/plt1707030045-n1.html
http://www.sankei.com/politics/news/170703/plt1707030045-n2.html