東京都議選(2日投開票)の選挙戦最終日となる1日、地域政党「都民ファーストの会」を率いる小池百合子都知事は八丈島で最終演説する。
移動に時間のかかる島でのマイク納めは異例。自民党の失態続きで優位に戦いを進めてきたことから余裕さえ漂わせている。
対照的に安倍晋三首相の最後の訴えは都心の秋葉原。告示後、初めての街頭で巻き返しを狙う。

小池氏は30日の定例会見で八丈島を選んだ理由について「東京都全体を考えると、島だけ行かないのはふさわしくない」と説明。
告示後、島しょ部に入るのは初めてで「(移動の都合で)天気次第で帰ってこられないか心配な部分もあったが、天気は大丈夫そうなので島の皆さんにきっちりごあいさつしてこようと思う」と笑みを浮かべながら話した。

都民ファが発表した1日の小池氏の予定は、小金井(定数1)、武蔵野(同1)、渋谷(同2)、新宿(同4)と4つの選挙区を回った後に、都心から南へ約287キロ離れた八丈島へ飛ぶ。
到着後、島内3カ所を回り選挙戦を締めくくる。

都政関係者は「都心に残っていれば効率よく選挙区を回れるのに、あえて時間をかけて1人区の島しょ部へ向かった。
政府や2回生の失態が相次ぐ自民党の“敵失”という追い風も吹き、余裕の表れなのだろう」とみている。

2町7村からなる島しょ部は、全面対決する自民党東京都連との勝敗を左右する1人区。
八丈島は公認候補の地元で、有権者の数は6531人(6月22日現在)。
島しょ部最多6780人を抱える大島には都民ファの応援に回る河村たかし名古屋市長が入り、伝統的に自民の強い地域で最後の訴えを行う。

逆風が吹く自民は1人区の千代田区に安倍首相が入る。
選挙期間中、26、28、30日と3度の応援演説は全て「ハコ(屋内施設)」。
やじを極力避ける狙いがあったとみられるが、最終日にようやく秋葉原の街頭に立つことになった。

首相は衆参の国政選挙の際、秋葉原を全国遊説の締めくくりの場所に選んできた経緯がある。
当日は東日本大震災からの復興状況を確認するために福島県を訪問することになっており、視察を終えてから駆けつける盛大な“演出”で士気を上げることになりそうだ。

スポニチ 2017年7月1日 05:30
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2017/07/01/kiji/20170630s00042000509000c.html