■「安倍やめろ!」コール
 ところが今回は、一部で異変が起こっている。当初から「安倍やめろ」のコールが沸き起こっていたのだ。
 中心となっていたのは一部の集団だったようだが、街宣が始まるとともにコールは広がりを見せ、通行用のスペースを隔てた場所で演説を見ていた人まで「安倍やめろ」と口ずさむ有様だった。
 そうした批判の声がとりわけ大きくなったのは、石原伸晃経済財政政策担当大臣が話し始めた時だった。
 「せっかく安倍総理総裁の話を聞きにお集まりいただいているのに、一部の人たちがこのように演説自体を邪魔する。こういうことを惹起させてしまったのは、やはり権力・政権をお預かりしている私どもの頭の中に皆さまの声に耳を傾けない、あぐらをかいていたからだ」
 石原大臣の発言には自民党の反省の言葉も含まれていたにもかかわらず、喋り始めるとすぐに大きなブーイングが飛んでいる。と同時に、「帰れ」コールも沸き起こっている。その途中で安倍首相が到着して街宣車に上がったが、批判の声はさらに高まった。
 石原大臣が批判されるのは、昨年まで自民党東京都連会長を務めていたからだろう。当時の幹事長は内田茂氏で、都議を引退し中村氏に千代田区選挙区を譲っている。石原大臣と内田氏はいわば、小池百合子都知事と対立した「悪の自民党東京都連のシンボル」とされてきた。
 ところが内田氏が演説した時は、不思議と野次が大人しくなっている。おそらく都議選の終盤になって、争点が都政から国政に移ったということだろう。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170702-00178858-toyo-bus_all