※週刊ポスト2017年7月7日号
http://blogos.com/article/231403/

 政治記者の間で長く“取材テーマ”となってきたのが安倍晋三・首相一家の後継者問題である。
岸信介、佐藤栄作、安倍晋三と3人の総理大臣を輩出した名門ファミリーにとって、
「血脈の次世代を誰に託すか」は長年の懸案事項だったが、新たな展開を迎えている。

 安倍首相と昭恵夫人の間に子供はいない。そこで後継者候補と目されてきたのは甥にあたる2人の若者だ。
一人は安倍首相の兄・寛信氏(三菱商事パッケージング社長)の長男・寛人(ひろと)氏。
もう一人は弟で、岸信夫・外務副大臣の長男・信千世氏である。

 寛人氏は2013年に慶応大学法学部を卒業後、同大学法科大学院(ロースクール)に進学。
信千世氏は2014年に慶応大学商学部を卒業後、フジテレビに入社した。安倍首相の母・洋子氏は、
2014年末に古参後援者に、「寛人に晋三の後を継がせることになった」と語ったという。

 しかし本誌が2015年12月に寛人氏の自宅を訪ねると、母親と思しき女性が、
「本人は政治家になるつもりはないようです。(ロースクールで)勉強しながら弁護士を
目指しています」と語っていた。

 一方の信千世氏は、政治の道への意欲を見せている。

「彼が入社してすぐの頃、冗談で『将来は政治家のセンセイですか?』と聞いたら、
『ハイ、その際にはよろしくお願いします』と笑顔で返していました」(フジテレビ関係者)

 信千世氏は「父・信夫氏の後継者」でもあるが、信千世氏には弟がいる。
寛人氏が政治家になる気がないのであれば、信千世氏が安倍首相と養子縁組して安倍家の後継者と
なり、弟が岸家の後継者となるシナリオも考えられる。父親の世代とは逆となり(※注)、
岸家から安倍家への後継者“移籍”となる。