「総理のご意向」文書が存在していたとしも「全く違法性はない」と官邸も、複数の識者も言っているが、
その「違法性がない」とは単に「刑法犯罪ではない」という意味に過ぎず、行政法上は立派に違法。

行政法上の違法については、例えば、動機の不法による行政権の濫用、平等原則の違反、
信頼原則の違反、比例原則の違反、
行政裁量の判断過程の違法(考慮不尽・他事考慮)など、
既に様々な違法理由が、最高裁判例で認められている。

もし「総理の『ご意向』・総理への『忖度』を動機とした行政措置だった」と認定されたなら、
それは「法の予定しない『総理への忖度』という不法な動機」による行政措置(行政権の濫用)だった
として行政法上違法、

京都府の大学と加計学園とを合理的理由なく差別的に取り扱った行政措置だって、
として平等原則違反で行政法上違法であるとして、

行政処分については、行政法上違法だから取り消すという判決が出る。

行政処分ではない行政措置については、行政上違法であることを確認する判決が出る。

「動機の不法による行政権の濫用で行政法上違法」を認めた最高裁判例は、
昭和53年5月26日最高裁判決・民集32巻3号689頁(行政法判例百選T 第6版 33事件)。

「平等原則違反で行政法上違法」を行政裁量が認められる処分についても認めた最高裁判例は、
最近のものだが、平成27年3月3日・民集69巻2号143頁(営業停止処分取消請求事件)。