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そんな苦労をしている中で、四国エリアにないからという理由で新しい獣医学部がポコンとつくると聞いたらどうか。
俺たちが今まで必死にやってきたことを無駄にする気か、と官邸の「横暴」に腸が煮えくり返るのではないか。
つまり、前川さんの言う「行政がゆがめられた」という言葉の裏には、純粋に文科省の「面子」を潰されたことへの怒りもあるのだ。

そんな「妄想」は、安倍晋三総理が加計学園に便宜を働いた問題から論点をすりかえているのだ、という人がいるが、論点ずらしで言えば、民進党や朝日新聞も目くそ鼻くそだ。

■支離滅裂なロジックを言ってしまう

菅義偉官房長官が言っているように、自民党文教族がガッチリガードしていた岩盤規制に勇ましく切り込んだのは、旧民主党政権である。
そして、それを応援していたのが、今回うれしそうに「総理のご意向」スクープを放った朝日新聞である。
民主党本部の陳情要請対応本部に、愛媛県の民主党県連から「今治市で獣医師養成系大学を設置するための規制緩和」という要望があがってくる少し前、朝日はこんな援護射撃をしている。

「獣医師の定員を定める20都道府県のうち12の都県で定員割れとなっていた。北海道で51人不足し、岐阜県で18人、鹿児島県で10人、新潟県で7人足りない。
薬剤師や臨床検査技師が獣医師の仕事の一部を肩代わりしている県も複数もある」(朝日新聞2010年6月10日)

こんな調子で、「獣医学部新設」をたきつけていた両者が、それを実現した安倍政権を目の仇にして叩くというのは、ハタから見ていてあまり気持ちのいいものではない。政権批判のためのポジショントーク感がこれでもかというくらい伝わってくるからだ。

霞ヶ関の論理で言えば、安倍首相が「行政をゆがめている」のは間違いない。そこにお友だちが関係していることが確かならば、さっさっと首をとればいい。

だが、ひとつ忘れていけないのは、霞ヶ関の中でも、特定業界にすりよって行政をゆがめている人々がいるということだ。そういう人たちを見抜くポイントが「面子」である。

既得権益でがんじがらめになった「ムラ」の住人は、自分たちの世界のロジック、自分たちの世界のルールに固執する。
そういう内向きの「面子」を守るために、国民の常識とかけ離れたおかしな言動をする。そんな「ムラ人」たちが霞ヶ関にはウジャウジャいるのだ。

文科省トップが「出会い系バーで貧困調査」という支離滅裂なロジックをしれっと言ってしまうということが、そんな日本の現実を如実に示している。

おわり