いい香りのする部屋だった
僕は彼女の華奢な身体をそっとベッドに横たえた
「水が飲みたいの…」
苦しそうな息をしつつ彼女がつぶやいた
僕は台所からコップに水を入れてきた
どこからか、彼女の飼い猫が出てきた
あるじが心配なのか、ストッキングの爪先をかいでいる
僕はコップを彼女の口に近づけた
でも、飲もうとしない
「お願い、口移しで…」
仕方なく僕は水を口にふくんでマウストゥマウス
「あっ!…」
いきなり舌を吸いつかれた
そのまま数分間
かすかに聞こえてきたのは、猫がミルクをなめているような音
…でも猫じゃなかった