しばらくの余韻に浸った後に肩を並べて手を握る
二人はたくさんのことを話した
聞きたいこと、伝えたいこと
経験豊富でリードしていたかの様な莉奈も、彩花が初めての相手だった事
断られたら…と怯えながらだった事
止められない想いがやっと伝わった事
お互いの好きな所
独占したいという気持ちと独占されたいと思う気持ち
あんな事するんだ、とか、あれが良かったんだ、なんて事を照れながら確かめ合ううちに、とどちらからともなく『またしたいね』と求め合う
心も身体も満たされるという事を生まれて初めて実感した夢の様な夜だった
互いの手を握りこのまま眠りにつく…そんな時に、握った手に力が入る
「あやちゃん私ね、今すっごい幸せなんだよ!」
彩花にしか見せない笑顔だった
「私も!すごい幸せだよ!」
莉奈にしか見せない笑顔だった
夜が明けると昨日の出来事が嘘の様な相変わらずのドタバタが始まる
引き摺られるように部屋を出る彩花に莉奈が微笑む
「お買い物、絶対に行こうね?約束だよ!」
幸せを噛み締めながら二人は今日も元気に街へ出る…

『私、幸せだよ』