侑「魔法学校ニジガサキ?」
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サスケ「ギャオオオオオオ!!!!!」
かすみ「ななななんですかあれ!?ドラゴン!?」
歩夢「やっぱり!来てくれたんだね、サスケ!」
サスケ「ギャオン!」
歩夢「侑ちゃん!!乗って!!」
侑「わ、わかった!」
しずく「なっ… かすみさん!また逃げられちゃう!ぶえっくしょいっ!」
かすみ「逃がしませんっっ!!10%──!『飴の雨«キャンディ・シャワー»』!!」 サスケ「ギャオオオオオオオオア!!」ボウッ
かすみ「な!?かすみんのキャンディが全部燃やされた!?」
歩夢「すごい!火、吹けるようになったんだね!」
サスケ「ギャオオオン!」
歩夢「それじゃあ逃げるよ!侑ちゃん、しっかり捕まっててね!」
侑「あわわわわわ」
侑(私……ドラゴンの背中に乗って………)
侑(空、飛んでるううううう!?) 歩夢「…ふう。ここまで来たらひとまず大丈夫かな」
歩夢「サスケ、ありがとう」
サスケ「ギャオン!」
侑「こ、怖かった… 下見れなかったよ…」
歩夢「ごめんね… 侑ちゃん」
侑「なんで歩夢が謝るの?」
歩夢「いきなりしずくちゃんとかすみちゃんが来て… サスケに乗って逃げて…」
歩夢「何が何だかわからないよね」
歩夢「本当に… ごめんなさい」 侑「気にしないでよ。それに、歩夢は私のこと、守ってくれたでしょ?」
歩夢「侑ちゃん……!」
侑「うん。だから気にしないで」
侑「そっかぁ… なんとなく気づいてたけど、私、この世界では追われる身なんだね」
歩夢「…………」
侑「もし捕まったら、その後はどうなるの…?」
歩夢「それは……」
侑「もしかして… 殺される?はは」
歩夢「…………」
歩夢「…」コクリ 侑「え」
侑「じょ、冗談半分で言ったんだけど!?本当に殺されるの?」
歩夢「…殺される、とはちょっと違うんだけど…」
歩夢「でも、ほぼ正解だよ。捕まったら、魔法をかけられて… エネルギーにされてしまうの」
歩夢「──この世界を存続させるための、ね」
侑「…嘘…でしょ…?」
歩夢「………」フリフリ 歩夢「…本当だよ。近いうちに開かれる『魔導祭』で… 地球から来た生贄を使ってこの世界の『充電』が行われるの」
歩夢「侑ちゃんは──そのためにこの世界に連れてこられたんだと思う」
侑「そんな…」
侑「でも、それならどうして歩夢は私のこと助けてくれたの…?」
侑「よくわからないけど… その『充電』が行われなきゃまずいんじゃ…」
歩夢「わかんないよっ!!」
侑「………」
侑「…ご、ごめん」 歩夢「私にも…わからないの…」
歩夢「でも、こんなのは間違ってるんじゃないか、って…そう思うだけなの…」
歩夢「私…決めた」
歩夢「侑ちゃんを守る… この世界から帰る方法を一緒に探すよ!」
侑「歩夢…」
歩夢「行こう、魔法学校ニジガサキへ…!」
歩夢「侑ちゃんをこの世界に連れてきたのも、おそらくニジガサキの転送魔法なの。だから、ニジガサキに必ず手掛かりがあるはず」
侑「で、でもっ、学校にはしずくちゃんやかすみちゃんみたいに私を捕まえようとしてくる子がいっぱいいるんじゃ…」 歩夢「確かに… 果林さんや愛ちゃんと戦うことになったら…私でも勝てるかどうか…」
歩夢「!」
歩夢「せつ菜ちゃんなら…!」
歩夢「せつ菜ちゃんなら、協力してくれるかもしれない…!」
侑(確かに… あの時せつ菜ちゃんは『私は歩夢さんの味方』って…)
侑「うん。二人で行こう。せつ菜ちゃんに会いに!」
侑「でも歩夢、何か作戦はあるの?さすがに玄関からこんにちはーってわけには…」
歩夢「作戦なんて…そんなのないよ」
歩夢「──サスケに乗って正面突破!だね」
侑「」 ─魔法学校ニジガサキ
ピンポン♪
栞子「『全校生徒の皆さんに連絡です。本日は魔導祭準備のため、午前授業になります。放課後は残らず、速やかに帰宅してください』」
栞子「…ふう。本日は私も帰りましょうか。魔導祭準備はランジュとミアさんに任せましょう」
ワーワー ギャーギャー
栞子「…?何やら下が騒がしいですね」
「か、会長!大変です!」
栞子「どうしたんですか?この騒ぎは?」
「そ、それが… 1階で3年生の上原さんがドラゴンに乗って暴れていまして…!!」
栞子「な…!?すぐに行きます!」 歩夢「おらおらぁ!せつ菜ちゃんを出せぇ!」ドカ
サスケ「ギャオオオオオア!」
侑「あ、歩夢?なんか性格変わってない?」
歩夢「こういうのは勢いが大事なの!ほら侑ちゃんも!」
侑「う…」
侑「ぉ…おらあー!せつ菜ちゃんに会わせろーー!」
歩夢「ついでに璃奈ちゃんも出せぇー!さもなくばドラゴンが火を噴くぞぉ!!」
「20%──『文字魔法≪水流≫』ッ!」 侑「み、水?うわあああああ!!」
ザバアアン‼︎
歩夢「侑ちゃん…っ!」
侑(踏ん張りがきかない…!流される…っ!)
侑「ごめん…あゆむ………!」
歩夢「ゆ、侑ちゃん!!今助けに」
栞子「行かせませんよ」バッ
歩夢「栞子…ちゃん!」
──────
────
── 侑「ううっ…全身びしょびしょ…はっ!」
侑「水流に流されて…変な教室に来ちゃったけど…」
侑「歩夢のところに戻らなきゃ…!」
ミア「hey」
侑「うわわわわ!?」
ミア「そんなにびっくりしなくてもいいだろ」
ミア「キミが高咲侑か。へぇ」
侑(ヤバイヤバイヤバイ、殺される…!) 侑「………」スッ
ミア「?なんだいその構えは」
侑「ジャ、ジャパニーズ・カラテだよ!!やったことないけど!」
侑「こ、こんなところで死んでたまるかぁー!!」
ミア「………ぷっ」
ミア「あははははっ!とっても面白いねキミ…!」
ミア「安心してよ、僕は非戦闘員だから」 侑「非…戦闘員…?」
ミア「そ。ボクは攻撃魔法は使えない」
ミア「だからこの場でキミを捕まえてどうこうしたりしないよ」
ミア「ま、キミの場合は魔法無しでも勝てそうだけど…」
侑「な、なんだぁ〜…よかったぁ…」ヘナヘナ
ミア「…それで?キミはどうしてこんなところに来たの?追われてるんだろ?」
侑「……そ、それは」
侑(ど、どうしよう… 信用していいのかな…?) ミア「?」
侑(ええい!もう一か八かでいくしかない!)
侑「わ、私地球に帰りたくて!そのために璃奈ちゃんに会いたくて!で、えーっとそのためにせつ菜ちゃんにも会いたくてっ」
侑「だからお願い!力を貸して!」
ミア「…………」
侑「み、ミアちゃん……」ウルウル
ミア「……驚いたよ。キミは本当に『奇跡の子』なんだね」 侑「ど、どういう意味…?」
ミア「本当に運がいいってことだよ、ふふっ」
侑「それはつまり…どういう…?」
ミア「つまり、地球に帰るための1番の近道を引いたってことさ」
ミア「何を隠そうボクは去年の魔導祭で──」
ミア「被験体『近江遥』を地球に転送した、張本人だから────」
. >>43
スカイブルーハリケーンだと思って普通に読んでたけどよく見たら立花兄弟の方だった 栞子「歩夢さん…お久しぶりですね」
歩夢「久しぶりだね、栞子ちゃん」
栞子「『大魔導師』の心労で長らく休んでいたかと思えば… これはどういうつもりですか?」
歩夢「見た通りだよ… この学校に乗り込みにきたの」
栞子「答えになっていません!」
歩夢「ごめんね。おしゃべりしている暇はないの」
歩夢「──30% 、『種爆弾≪シード・ボム≫』!!」 ボムッ!ボムッ!
栞子「──10%、『花の壁≪フラワー・ウォール≫」
栞子「…………」
歩夢(防がれた!?)
歩夢「わざわざ花魔法を使うなんて…」
栞子「…貴女に教えてもらった魔法です」
栞子「私は!憧れていたんです!強くて優しい貴女に!」
栞子「それなのに…」 栞子「今となっては奇跡の子と共にドラゴンに乗って校内で暴れるなんて…!」
栞子「目を覚ましてください…ッ!」
栞子「──20%、『文字魔法≪灼熱≫』っ!」
歩夢(まずい…火は……っ)
歩夢「サスケっ!」
ドゴォ!
歩夢(な、なんとか避けた…)
歩夢「花魔法の弱点を狙うなんて…栞子ちゃん、本気で…」
栞子「私はいつでも本気です!」
栞子「歩夢さんが『大魔導師』として魔導祭での職務を全うすると言うまで… 攻撃をやめるつもりはありません」 歩夢「くっ……」
歩夢(強力な魔法を使えば…栞子ちゃんにはおそらく勝てる…!)
歩夢(でも…っ!)
歩夢(お願い… 届いて!せつ菜ちゃん…!)
せつ菜「…………っ!」キィン
せつ菜「歩夢さんからの…テレパシー……!」 ──────
────
──
ミア「そもそも、キミはこの世界のこと、どれくらい知っているんだい?」
侑「えっと…ここは地球ではない場所で…私は捕まったら殺される…くらい?」
ミア「なるほどね」
侑「あ、あと魔導祭と充電?みたいなことを言ってたような…」
ミア「なんだ、知ってるじゃないか」
侑「どんなものなのかは全くわからないけど…」
ミア「じゃ、わかりやすく説明しよう」 ミア「ニジガサキでは年に一度、魔導祭という儀式が行われる──」
ミア「その年の3年生で1番の魔力を持つものが、『大魔導師』として選ばれ──」
ミア「地球から転送した『奇跡の子』に充電の魔法をかけるんだ」
侑「…………」ゴクリ
ミア「充電の魔法をかけられた『奇跡の子』はエネルギーの結晶となり、この世界の存続のために使われる──それだけさ」
侑「そ、それだけって…」 侑「その…エネルギーの結晶になったら、私はどうなっちゃうの?」
ミア「さあ?なったことがないからわからないよ」
侑「そんな……」
ミア「…………」
ミア「……彼方も、こんな気持ちだったんだろうな」ボソッ
侑「彼方さん?」
ミア「……ああ」
ミア「…彼方は、去年の大魔導師だったんだ」 ミア「だけど… 彼女は『奇跡の子』と接触してしまった…」
ミア「そして、不運なことに…」
ミア「去年の『奇跡の子』は、地球の彼方の妹、近江遥だったんだよ」
侑「………」
ミア「それを知った彼方は大魔導師を降り、ボクが転送魔法を使って近江遥を地球に転送した…」
侑「そ、それなら」
侑「ミアちゃんが私を転送してくれれば…」 ミア「sorry… それはできないんだ」
侑「どうして!」
ミア「この世界が滅びかかっているからだよ」
ミア「この世界はもう2年近く充電されていない… もう限界なんだ」
ミア「ボクは去年の責任を感じているんだ。うまくやれなかった、ってね」
ミア「だからこうして卒業した後もニジガサキに関わり続けてる… 璃奈のサポートとしてね」
ミア「だから、今年の魔導祭はなんとしてでも実行しなければならない…」
ミア「わかってくれ…」
侑「……………」 ミア「ただ、方法がないわけじゃない」
侑「……!」
ミア「そうだね… 考えられるのは3つかな」
侑「3つ!?結構あるじゃん!」
ミア「全て現実的じゃないけどね…」
ミア「1つ目は、この世界の全ての人を説得すること。みなさん滅びますけどいいですか?ってね」
侑「うわ…確かに現実的じゃない…」 ミア「2つ目は『ホノカ』を説得すること」
侑「ホノカ?」
ミア「この世界を作った神のことだよ… 本当にいるのかもわからないけど」
侑「?よくわからないんだけど…」
ミア「申し訳ないがボクもわからないんだ。だからこれも現実的じゃない」
ミア「3つ目は──」
ミア「キミ自身が魔法をつかうこと、だ」 追いついた!こういう異世界モノ好きだから期待してる 面白い
でも>>66で果林さん留年しちゃったのか…って一瞬思ってしまったわ許して 地球に戻った遥ちゃんは異世界にいた時の記憶があるのかな ──────
────
──
栞子「──20%、『文字魔法≪灼熱≫』…っ!」
ドゴォ!
歩夢(もうそろそろ避けるのも限界…っ!)
栞子「はぁ…はぁ…」
栞子「そろそろ、本気の魔法を使ったらどうですか…っ!」
歩夢「栞子ちゃん… 私は教えたよね?魔法は犠牲を伴うって」
栞子「それは…」 栞子「それでも、私たちは魔法を使うしかないんです…!!」
栞子「5%────!!!!」
栞子「『文字魔法«豪炎»』ッッッ!!」
歩夢(まずい…っ!!)
「──炎魔法«スカーレットストーム»!!!」
バゴォーン!
栞子「な…『豪炎』が燃やされた…?」
「やはり… 炎タイプに炎タイプは今ひとつですね…」
せつ菜「──呼ばれて参上!優木せつ菜です!!」 栞子「せつ菜さんまで… どうして…」
歩夢「せつ菜ちゃん…ありがとう」
せつ菜「いえいえ…それより、どうします?まだ戦いますか?」
せつ菜「ちなみに私、スカーレットストーム以外の魔法は使えませんので、手加減はできませんよ?」
栞子「……くっ…」
栞子「わかりました… 降参です…」
歩夢「私、侑ちゃんを追いかけるね!」タッタッタッ
せつ菜「あっ… 行ってしまいましたか」
せつ菜「栞子さん… 悪く思わないでくださいね」 ──────
────
──
侑「私が… 魔法を…?」
ミア「そうだよ。不可能じゃない」
侑「ど、どうやるの?今からでも間に合うかな?」
ミア「どうやる…って言われても」
ミア「感覚としか言えないかな…」
ミア「だいたい、キミは奇跡の子だろ?そういうのを奇跡でなんとかするんだよ」
侑「そ、そんなぁ…」 歩夢「侑ちゃんっ!!」
侑「歩夢…!」
歩夢「……」キッ!
ミア「おいおい…そんなに睨むなよ。ボクは彼女に何もしてない」
歩夢「侑ちゃん、一旦ここを離れよう?結構派手にやっちゃったし… せつ菜ちゃんにも会えたし」
侑「う、うん」
侑「ミアちゃん、止めないの?」
ミア「……うん。ボクは本来もう部外者だからね。歩夢が連れて行くと言うなら、止めはしない」 ミア「……一つアドバイスだ」
ミア「エマに会いに行くといい。彼女ならホノカのこと、魔法のこと、何か知っているはずだ」
侑「!」
侑「ありがとう!ミアちゃん」
ミア「幸運を祈っているよ、ベイビーちゃん」
侑「歩夢、行こう」
歩夢「ちょっと待って、最後に…」 ──────
────
──
せつ菜「……ごめんなさい。一緒に行くことは…できません」
侑「やっぱり…?」
せつ菜「私も、この世界が滅ぶような選択はできないんです」
せつ菜「でも、歩夢さんの意志も尊重したい…」
せつ菜「だから… 見守らせてください」
せつ菜「ずるい、ですよね…」
歩夢「ううん、そんなことない」 歩夢「私たち、エマさんに会いに行きたいんだけど…せつ菜ちゃん、何か知ってる?」
せつ菜「エマさんなら… 近くの町で町医者をやっていると聞いたことがあります」
歩夢「ありがとう。そこで…侑ちゃんが帰る方法がないか、聞いてみるつもり」
せつ菜「そう…ですか」
せつ菜「もしかしたら、これが最後の会話になるかもしれませんね」
侑「!」 せつ菜「歩夢さん…」
せつ菜「始まったのなら、貫くのみ!です」
せつ菜「私は、歩夢さんの決めたこと… 応援します」
侑(せつ菜ちゃん…)
歩夢「うん!」
歩夢「じゃあ侑ちゃん、行こっか」
侑「うん…」
侑(歩夢は… 私が生贄になるなんで間違ってる、って… そう言ってくれたけど)
侑(じゃあこれが… この世界のみんなを見捨てるのが、正解なの…?) >>100
一応修正
せつ菜「歩夢さん…」
せつ菜「始まったのなら、貫くのみ!です」
せつ菜「私は、歩夢さんの決めたこと… 応援します」
侑(せつ菜ちゃん…)
歩夢「うん!」
歩夢「じゃあ侑ちゃん、行こっか」
侑「うん…」
侑(歩夢は… 私が生贄になるなんて間違ってる、って… そう言ってくれたけど)
侑(じゃあこれが… この世界のみんなを見捨てるのが、正解なの…?) ─ニジガサキの近く、とある町
歩夢「教えてもらった場所だと…ここ、なんだけど…」
侑「これは…どう見ても…廃墟…?」
歩夢「い、一応、呼んでみよっか」
歩夢「エマさーん!いますかーー!」
シーーン…
侑「やっぱり、こんなところに住んでるわけないよね…」 「………ぅうん…!ちーずぅぅ…」
歩夢「!」
歩夢「中からエマさんの声がする…!!」
歩夢「……よし」
歩夢「エマさん!開けますねー!」ドゴォ!
侑「あ、歩夢!?さすがにドアを破壊するのは…」
エマ「…むにゃ……すぅ………」
侑「って玄関で寝てる!?」 歩夢「…もう!やっぱりエマさんの寝言だ」
歩夢「エマさーん!起きてくださーい!」
エマ「……んぅ…?歩夢…ちゃん?」
歩夢「エマさん!話があるんです!真剣なんですから」
エマ「どうしたの…?急に…」
エマ「あれれれれ…?」
エマ「歩夢ちゃん、無理したね〜?」 歩夢「?」
エマ「無理する子にはお仕置きっ。スリープ〜〜〜!」
歩夢「な……に…………」トロン
歩夢「…………すやぁ………」パタリ
侑「あ、歩夢っ!」
エマ「私もまだ寝足りないなぁ…」
エマ「すやぁ…………」
侑「えっ」
歩夢・エマ「zzZ…………」
侑(な、何この状況────!?) 侑「歩夢っ!あゆむ〜〜っ!」ユサユサ
歩夢「すやぴ………………」zzz
侑「だめだ……全然起きそうにない…」
侑「多分、魔法で眠らされてたもんね…」
侑「エマさぁぁぁん… 起きてぇ…」
エマ「むにゃむにゃ…はぁーぃ……」
侑「エマさーーーーん!」
エマ「聞こえてるよぉ……はっ!!」パチリ
侑「急に起きた…っ!?」 エマ「そうだった…さっきの夢の中で…!!」
エマ「30%!『チーズ魔法≪モッツァレラ≫』ぁぁあ!!!』
バゴォォォン!!!
侑「ひいいいいい!!!爆発した!?!?」
パラ… パラ…
侑「て、天井が… なくなっちゃった…」
エマ「うーん… 失敗かぁ…」
エマ「魔法で食べ物を出しちゃえばいいじゃん!って。我ながらいいひらめきだったんだけど…」 侑「あの… お邪魔してます…」
エマ「ふんふん…」
エマ「そのエネルギー…もしかして今年の『奇跡の子』?」
侑「!」
侑「そ、そうなの!私、帰る方法を探してて…」
侑「ミアちゃんがエマさんを紹介してくれて… それで」
エマ「なるほどね〜」
エマ「それで、歩夢ちゃんも頑張りすぎちゃってたんだね…」 エマ「わかった!話を聞くねっ」
エマ「その前に〜」
エマ「ふとん魔法〜っ♪」
ファサッ…
歩夢「……ぅぅん……すぅ……」
侑「す、すごい!一瞬でふとんが…!」
侑「エマさん、いろんな魔法が使えるんだね!」
エマ「うふふっ、何を隠そう私は──」
エマ「医者!兼っ!」
エマ「──魔導研究者、だからね!」 ──────
────
──
エマ「それで、私に何を聞きに来たの?」
エマ「あ、はいお茶っ。特製の魔法茶だよ〜!」
侑「あ、ありがとう…」
侑「…………」ズズッ
侑(普通のお茶だ……)
侑「何を聞きたいのかも… 正直、わからなくて」
侑「ミアちゃんに、『ホノカ』っていう人のことと、私が魔法を使う方法について」
侑「エマさんなら何か知ってるかもしれない、って。そう言われたんだ」 エマ「ふむふむ…… なるほど…」
エマ「ミアちゃんも余計なこと教えたねぇ〜。ふふっ」
侑「……!」
エマ「だって、もし私がここで正解を教えちゃったら、世界が滅んじゃうかもなんだよ?」
エマ「責任重大っ!だよ」
侑「そう、だよね…」
エマ「侑ちゃんが知りたいこと、部分的には知ってるけど…」
侑「!」
侑「そ、それを教えてもらうっていうのは…」 Safariから書き込んでる情弱だから大丈夫なはず…! >>125
148 ◆Ace5ch/zDl/3 (ワッチョイ d13d-rqKn)2023/07/10(月) 20:16:36.99ID:cg2I5nmg0
一応予告しておきます。
明日早朝までは専ブラで書けますが、API更新されると書けなくなります。
Webブラウザまたはitestからどうぞです。
との事で専ブラが死ぬらしい
実際はどうなるか分からない >>128
ありがとうございます…
書けなくなっちゃったら他で書くなりしてなんとか完結させます エマ「うーん…」
エマ「約束… してくれるなら、教えてあげてもいいかな」
侑「約束?」
エマ「うん」
エマ「なんだか侑ちゃんなら…. 守ってくれそうな気がするの」
エマ「この先どんな結末を迎えても──」
エマ「誰も悲しませない、って」
エマ「私との、約束」 侑「……!」ゴクリ
侑「わ、私に… 出来るかな……?」
エマ「できるよ!きっと!」
エマ「だって、侑ちゃんは『奇跡の子』だもん!」
侑「奇跡の子…」
侑「しずくちゃんもミアちゃんも言ってたけど、それって一体どういうことなの?」
エマ「うん、ゆっくり説明するね」
この世界と、侑ちゃんのこと────
. 侑ちゃんは『奇跡』を体験したことはあるかな?
そう。この『奇跡』っていうのは、侑ちゃんが思いつくようなもので間違ってないよ。
例えば、「宝くじに当たった」とか、「二度と目を覚まさないと言われていた難病患者が奇跡の回復を遂げた」とか… そういうの。
あはは、すぐには思いつかないかあ。そうだよね。
でもね、この世界から見れば「地球という惑星で、そこに人間として生まれた」ということが、もうとんでもないような奇跡なんだよ。 侑ちゃんはこんな話を聞いたことがあるかな。
「惑星に生命が誕生する確率は、25mプールにバラバラの時計を入れて、水の流れで組み立てられる確率と同じ」って。
これはあくまで例え話でね。要するに、「ありえないくらい低い確率」ってことなんだよ。
でも、地球という惑星にはそれを意図的に引き起こす力がある──。
地球という惑星に生命が誕生し、今日まで繁栄してきたのは…
地球が持つ膨大な「奇跡を引き起こすエネルギー」のおかげなの。 ──ここからは、私たちの世界の神話なんだけど。
私たちの世界はね、大昔に始祖ホノカによって作られたんだ。
言うなれば、超次元的存在、神様だよ。
ホノカは何もない宇宙に突然生まれて…
途方もない時間、宇宙を彷徨ったの。
そして、地球という惑星を見つけた────
ホノカは特別な力を使って、この世界を、この惑星を創造した。
「奇跡のエネルギーを具現化する力」だよ。
これがいわゆる「魔法」というものなの。 そのあと…ホノカは自らが地球とこの世界をつなぐ「橋」となった。そして、自分の意志を継ぐ者として私たちのような魔導師を生み出した…って言い伝えられてる。
侑ちゃん、この世界でたくさん魔法を見たでしょ?
あれはね。魔導師がホノカの「橋」を通じて地球の奇跡のエネルギーを具現化したものなんだよ。魔法を使う前に〜%、とかって唱えているのは、具現化させるエネルギーの大きさのこと。
簡単に言うと、確率が低ければ低いほど、それは大きなエネルギーとなる──
50%の事象を引き起こすエネルギーより、1%の事象を引き起こすエネルギーの方が強大なんだ。 ふふっ、難しいよね…
すっごく簡単に言うと、私たちが魔法を使うと、地球の誰かがちょっぴり不幸になるんだよ。
地球の誰かが引き起こすはずだった奇跡を、私たちがこの世界で具現化させちゃってるわけだからね。
地球で暮らす生命はみな、その身体に奇跡のエネルギーを宿している──
そして時折、現れるの。
膨大な奇跡のエネルギーを身体に秘めた、『奇跡の子』が、ね。
──────
────
── ─夜、寝室
侑(うう…眠れない… 頭がこんがらがりそう)
侑(私は膨大なエネルギーを持っていて… この世界は地球のエネルギーで出来てて…)
侑「…誰も悲しまない、結末かぁ…」
侑「あーーもうっ!」
侑(外の空気でも吸いにいこ…)
侑「天井もないし、ほとんど外なんだけどね…」スタスタ 歩夢「侑ちゃんっ!」
侑「歩夢!起きたの?」
歩夢「うん。エマさんの魔法が切れたみたい」
歩夢「起きたら天井は無くなってるし… エマさんはすやすや寝てるし…」
歩夢「な、何があったの?ケガはない?」
侑「あはは、大丈夫だって」
侑「歩夢、少し…話さない?」 ─ベランダ
歩夢「そっか、エマさんから聞いたんだね… この世界のこと」
歩夢「本当は知ってたの。私も…」
歩夢「隠してて、ごめんなさい…」
侑「大丈夫。気にしてないよ」
侑「歩夢が魔法を使いたくなかった理由… やっとわかったよ」
侑「誰かを不幸にさせたくなかったんだね」 歩夢「……うん」
侑「歩夢は…優しいね」
侑「私だったら、魔法の力をぱーっと使っちゃうけどね!誰かの不幸なんて知るかー!って感じで!」
歩夢「よく……ないよ」
侑「………」
歩夢「人のものを奪って… 自分たちだけいい思いをしようなんて、間違ってるよ…っ」
歩夢「私たちが魔法を使わなければ、地球で命が生まれたり、助かったりするかもしれないのに…っ!」 歩夢「私たちは、寄生虫だよ… 侑ちゃんたちの星のエネルギーを吸い取って生きてる」
歩夢「だから私、たまに思うんだ」
歩夢「こんな世界、無くなっちゃえばいいのに…って」ポロポロ
侑「歩夢っ──!」
ダキッ
歩夢「ゅ…う…ちゃん…ぐすっ」ボロボロ
侑「歩夢は…… 私が魔導祭でエネルギーにされたら…悲しい?」
歩夢「かな……しいよっ!そんなの……嫌……!」 侑「……うん、そうだよね」
侑「でも私… それでもいいかなって、思ってた」
侑「歩夢たちが消えちゃうのは…… 私も悲しいから」
侑「それにね」
侑「歩夢が私を結晶にする魔法をかける、『大魔導師』なんでしょ?」
侑「歩夢に殺されるなら、いいかな?みたいな」
侑「ふふふっ」 侑「でも私…決めた」
侑「絶対に私は殺されたりしない…っ!そして、この世界も消えさせない!」
歩夢「ゆう…ちゃん…」
侑「約束…しちゃったからね」
侑「誰も悲しまなせない結末にする、って」
侑「歩夢…… 一緒に、来てくれる?」
歩夢「もち…ろんだよっ!ぐすっ…」
侑(ミアちゃん… エマさん…そしてニジガサキのみんな……!待ってて!)
侑(私が必ず、救ってみせる──っ!) 今日はここまでにします。
明日書けることを祈って寝ます…! Safariからなら今まで通りだから今日も好きなだけ書いて♡ ──────
────
──
彼方「ここも始まってる……世界の崩壊が…」
彼方「──1%、『修復』ッ!」
彼方「はぁ、はぁっ…」
彼方(やっぱり…これじゃ体が持たない…)
ザッ…
果林「彼方、久しぶりね…」
彼方「果林ちゃん…?」 彼方「どうして、ここに…」
果林「『奇跡の子』の居場所を特定するために、璃奈ちゃんがエネルギーを観測していてね」
果林「その中で、不自然なエネルギーの揺らぎがいくつかあったの」
果林「やっぱり貴女だったのね…」
彼方「ふふっ、バレちゃったかぁ…」
彼方「でも彼方ちゃんももう限界。こんなのいつまでできるか…」
果林「彼方……お願いがあるの」 彼方「…聞かなきゃ、ダメ?」
果林「…………」
果林「こんなことは本当は言いたくないけれど」
果林「あなたには、責任を取る必要があると思う」
果林「…ニジガサキに戻って来て」
果林「そして……」
果林「今年の『大魔導師』になって欲しいの」 ──────
────
──
侑「ぐぬぬぬぬ…」
歩夢「頑張って!侑ちゃん!」
エマ「集中だよぉ〜〜!」
侑「ご、50%……!」
侑「ウィ、ウィンガーディアム…レヴィオーサ…?」
歩夢「…………」
歩夢「もう!真剣にやってよっ!」プンスカ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています