侑「魔法学校ニジガサキ?」
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彼方「寝起きにいきなり魔法で攻撃されるとは…」
彼方「歩夢ちゃんも本気だね…!」
彼方「10%、聖なる剱の踊り≪サーベル・ダンス≫──!」
ヒュンヒュンヒュンヒュン‼︎
歩夢「!」
歩夢「ご、5%…!花の壁≪フラワー・ウォール≫……!」
キィン!
歩夢(だめだ……押し返される!!)
歩夢「ぐ…っ……!」ズサ
歩夢「はあっ…はあっ…」 歩夢「彼方…さん、侑ちゃんを…解放してください!」
歩夢「彼方さんだって、こんなことはおかしいって、そう思ってるんでしょう!?」
彼方「そうだね… そう思うよ」
歩夢「だったら!」
彼方「もうすぐ… 歩夢ちゃんもわかるよ」
歩夢「言われなくても…わかってます!!」
歩夢「でも…っ!彼方さん、貴女は──っ!」
歩夢「侑ちゃんを遥ちゃんの身代わりにしているだけです……っ!」
彼方「っ!」 歩夢「こんなの… 私たちのエゴですよ…!」
彼方「───5% 、聖なる祝福の焔≪ホーリー・フレイム≫!!!」
侑「歩夢ッ!避けてっ!!!」
歩夢(この魔法は… 防げないっ…)
歩夢(…………っっ!!)
ドゴォ!!!!!!!!!
. 歩夢「……ぅ……っ……」
侑「あ、歩夢!!」
彼方「……やっぱり、強い魔法を使わないんだね」
彼方「歩夢ちゃんがその気になれば…」
彼方「1%以上の魔法だって、使えたはず…」
歩夢「……きめ…て…るんです…」
歩夢「わた…しは……!」
歩夢「だれかの奇跡を……うばわない…って…っ……!!」 彼方「歩夢ちゃん…」
彼方「それでも私は、1年前の過ちの責任を… 取らなきゃいけない…っ!」
彼方「あれから今まで… 世界の崩壊のはじまりをこの目で見て…」
彼方「その度に修復の魔法で、なんとか食い止めてきたの」
彼方「その度に、ニジガサキのみんなの顔が浮かんだ…」
彼方「今度こそ…守らなきゃいけないんだよ…!」
歩夢「…………」
彼方「そろそろ、時間がくる────」 侑(ひ、光が……消えた!?)
「これが…エネルギー切れだよ」
「──1%、修復ッ!!」
パァァ
彼方「なんとか…月の明かりくらいには戻せたかな…」
歩夢「………っ!」
彼方「侑ちゃんも…これでわかったでしょう?」
彼方「これが… 私たちの魔法の限界だよ」 彼方「今の私の修復魔法で食い止められるのはせいぜいあと数十分…」
彼方「ギリギリまで、待ったよ… 侑ちゃん」
彼方「時間切れ、だよ…」
侑「そん…な…」
歩夢「……………0.1%………!!!!!」
歩夢「『湧き上がる花々の叫び≪フラワー・スクリーム≫』!!!!!」
ゴゴゴゴゴゴ!!!!
. 彼方「な!?歩夢ちゃん……っ!?」
彼方「くっ、1%…!『聖なる妖精の護り≪フェアリー・シールド≫』!!!」
ドゴォ‼︎
彼方「く……っ!な、んとか…防いだ……!」
歩夢「やっぱり…!できた!」
侑「そ、その魔法……!」
歩夢「侑ちゃんの… 奇跡の力を使ったの…!!」
侑「私の…力…」
歩夢「これなら…強い魔法が使える!!」 彼方「そんな…ことが……!」
歩夢「これで…彼方さんも諦めてくれますよね」
彼方「!」
歩夢「今の私なら… 流石の彼方さんでも、簡単にはいかないはず」
歩夢「戦っているうちに… "時間切れ"で全員…」
彼方「…………」
侑「で、でもそれって」
歩夢「大丈夫」
歩夢「侑ちゃんは──私の魔法で地球に転送する…!」 侑「え…っ?でも…」
歩夢「みんなで消えちゃうよりは、いいでしょ?」
彼方「………」
歩夢「侑ちゃん、お願い」
歩夢「最後に、侑ちゃんのこと、救わせて──?」
侑「そんな……」
タッタッタッ
果林「彼方!」 歩夢「──果林さん!?」
果林「はぁ… はぁ…」
果林「やっぱり… 手こずっていたのね」
果林「私は…… まだ戦える…!」
果林「2対1なら…っ!」
歩夢「くっ…」
歩夢「侑ちゃん、ごめん。ちょっとだけ、力をもらうね──」
侑「──やめてっ!」 侑「もう、やめてよ……」
歩夢「ゆ、侑ちゃん…」
侑「私の力でみんなが傷つくところなんて、見たくないよ…」
侑「時間が、ないんだよね」
侑「一回だけ、チャンスをちょうだい」
歩夢「侑ちゃん、まさか魔法を…!」
侑「……うん」 侑「やってみる。エマさんと約束したから」
侑「やっぱり、誰も悲しませないためには、私が魔法を使うしかないみたい」
侑「………すぅぅ」
侑(ホノカの祭壇……)
侑(お願い……力を貸して!)
侑(この世界を救う… 全てをひっくり返す、そんな魔法を)
侑(生み出す……!想像できないものを、想像する……っ!!)
侑(必ず────!!!) 侑「0.1 ⁶⁴%────」
侑「『創造魔法』」
侑「≪ビッグ・バン≫────!」
. 侑「ここ…は……」
侑(上も下もわからない…… 海の……中…?)
侑(いや… 闇の…中…)
ホノカ「すごいすごいすごーーい!!!」
侑「ええ!?だ、誰!?」
ホノカ「私はホノカ!」
ホノカ「この世界の創造主だよ」
侑「あなたが…ホノカ!」 ホノカ「そうだよ!」
ホノカ「多分、なんでこんなところにいるのか、って、気になってるよね」
ホノカ「簡単に言うと、あなたの存在レベルが上がっちゃったの」
侑「存在レベル?」
ホノカ「うん」
ホノカ「あなたはとんでもないエネルギーを創造しちゃったからね…」
ホノカ「生命1個体の与える影響にしてはあまりにも大きすぎた…」
ホノカ「簡単に言うと… チート?」 侑「な、なるほど…?わかったような、わからないような…」
ホノカ「まあ、細かいことは気にしないっ!」
ホノカ「それにね、私、あなたにすーーっごく感謝してるの!」
侑「へ?どうして?」
ホノカ「あなたのビッグバンのおかげで充電の必要がなくなったんだよ!」
侑「ええええ!?そうなの!?」 侑「じゃあ、みんなも…」
ホノカ「…うん。消えてないよ」
ホノカ「あなたが生み出した途方もないエネルギーのおかげで… ニジガサキは負のスパイラルから抜けられる」
ホノカ「もうあの子たちに、悲しい思いさせなくてすむ…」
ホノカ「本当に… ありがとう」
侑「えへへ…」
侑「よかった… 私、約束守れたんだ!」
侑「きっと、これが誰も悲しまない結末、だよね…」 ホノカ「いやいや、まだ終わってないよ!」
ホノカ「最後にあなたを地球に帰さないと!」
侑「え、できるの?」
ホノカ「私は万能の神ホノカだよ!」
ホノカ「あなたを人間に戻して、地球に転送するなんて造作もない…っ!」
ホノカ「ちょちょいのちょいだよ!」
侑「………」
ホノカ「どうしたの?地球に戻りたくない?」
侑「ホノカさん」
侑「……テレパシーの魔法、教えてもらえる?」 ─魔法学校ニジガサキ
侑「おおおう、すごい!自分が2つあるみたいな……感覚っ!」
歩夢「ゆ、侑ちゃん!?」
侑「歩夢!」
侑「よかった… これで最後に歩夢とお話できるね」
侑「歩夢… 今はホノカさんに協力してもらって、思念体でこうやってお話できてるんだ」
歩夢「ホノカさん…?」
侑「あはは、色々あってね…」 侑「私、これから地球に戻ることになったの」
歩夢「!」
侑「だから最後に… 歩夢にお礼が言いたくて」
侑「歩夢。この世界でずっと私を守ってくれて…… 本当にありがとう」
歩夢「そんな… 私たちは侑ちゃんを…」
侑「それももういいの」
侑「きっとね」
侑「歩夢のおかげで… 私は魔法が使えたの」
侑「最後は… 歩夢に消えて欲しくない、ってその気持ちでいっぱいだったから」 歩夢「侑ちゃん…」
歩夢「私、絶対に… 侑ちゃんのこと、忘れないから」
侑「ふふ、私はずっと歩夢のそばにいるよ」
侑「この世界の奇跡のエネルギーは、私が生み出したものでしょ?」
侑「だから、ずっとそばにいる」
歩夢「!」
歩夢「うん………!」
歩夢「私たちのこと、ずっと見守っていてね…!」
侑「歩夢」
歩夢「侑ちゃん」
「「ばいばい!」」
. ─地球・とある病室
侑「……………………」パチ
歩夢「……………!!」
侑(歩夢が……手を握ってくれてる)
侑(あれ………私………)
歩夢「…………ゆう、ちゃん……!」
歩夢「ぐすっ……ぅ……侑ちゃんっ!!うわあああん!!!」ボロボロ
──────
────
── 侑「───ふうん、そんなに……」
歩夢「うん…… 目覚める確率は1%もないだろう、ってお医者さんが…」
侑「それで…1年も?」
歩夢「……うん」
侑「あはは、そっかあ」
侑「じゃあこうやって私が生きてられるのって本当に奇跡だね!」
歩夢「うん。本当に…… 奇跡だよ」 侑「私ね…… 眠ってる間に」
侑「歩夢に何回も、助けられた気がするの」
侑「そして、歩夢が」
侑「こんな地球の奇跡を、守ってくれてた気がするんだ」
歩夢「よくわからないけど…」
歩夢「きっと、私が毎日病院に通ってたおかげだねっ!」ポムッ
侑「あははっ、そうだね──」
侑(きっと、歩夢のおかげだよ)
侑(奇跡を守ってくれて── ありがとう、歩夢)
おわり 終わりです。
終盤更新滞ってしまって本当にごめんなさいでした! お疲れ様です
すごい面白かったです!
ハッピーエンドで良かった 回収できなかった設定おまけ
しずく「そういえば、来年の大魔導師はかすみさんの予定だったみたいだよ?」
かすみ「え?しお子じゃなくて?」
かすみ「かすみん、5%以上の魔法使えないよ?」
しずく「うん、この前果林さんに聞いたんだけどね──」
──────
────
── しずく「果林さん、教えてもらった魅了魔法、失敗しちゃいました……」
果林「あらあら…」
果林「ひょっとして、詠唱を間違えたんじゃないかしら?」
しずく「詠唱?」
果林「魔道師は素質によって詠唱方法が変わっていてね…」
果林「しずくちゃん、もしかしたら魅了≪チャーム≫って唱えたんじゃないかしら?」 果林「この技名での唱え方はね、大魔導師の素質がある子の特権なのよ…」
果林「私たちみたいな凡人は『魅了魔法≪チャーム≫』って唱えないと、使えないわ」
しずく「なるほど… 勉強になります」
しずく「あれ、じゃあかすみさんは──」
果林「そうね、もし次があれば… 大魔導師になっていたんじゃないかしら?」
──────
────
── かすみ「なるほどねぇ…」
かすみ「え゛!じゃあかすみん、次の魔導祭があれば英雄だったの!?」
しずく「そう…なってたかもね?」
かすみ「なんてタイミングの悪い…… あと一年早ければぁ〜!」
しずく「私は… かすみさんが人殺しにならなくて、ホッとしてるけど…///」
かすみ「しず子……///」
「从[´・֊・]从しずかすは尊い」 かすみ「な…… テレパシー!?」
かすみ「だぁーっ!りな子!テレパシーで茶化すなっ!」
「しずくちゃん、がんばれ『٩( 'ω' )و』」
しずく「かすみさん、こっち向いて?『魅了魔法≪チャーム≫』───」
かすみ「ななななんでいきなり!?禁止!チャーム禁止!!!」
「从[´・֊・]从 微笑ましい」
かすみ「うがーーっ!」
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