【SSコンペ】メイ「ったく…部室の掃除も楽じゃな…ん?なんだこの変な封筒」恋「懐かしいですね…お母様の秘密のメッセージです」
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ラブライブ!SSコンペを開催します!
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1685782999/
↑へのエントリー作品です
スパスタ1期放送〜2期放送の間で大筋だけ考えてお蔵入りした話です
コンペのお題が「秘密」と聞いた時にこの話のことを思い出し、せっかくだからエントリーを口実にちゃんと書いてみようかなと思いました
謎解き要素あり
2期最終回あたりの時期に1期の時点のエピソードを回想している設定で書いていくつもりです
長めの話になると思います
エントリー期間内に書ききれることを目標に書いていきます
あと、私独自の解釈も入ってくるのでこの子はこんなキャラじゃないといった意見もあるかもしれません
※スレタイにメイがいますが本編ほぼ出番なしです 千砂都「そしてこれは…知ってるはずがないことを知っていたという発言でもある」
千砂都「フロッピーの中身見たら居座ることになるかもしれないって知らなければこんなことは言わないよね」
恋「最後の目的地となる理事長室に長居されたくないという気持ちが出てしまったというところでしょうか」
千砂都「そしてこの会話にはもう一つおかしなところがある」
千砂都「『部室のパソコンを使うように』というのはわかるんだ。フロッピードライブだもんね」
千砂都「パソコンによっては使えない可能性もあるから部室のパソコンは対応しているって情報をくれたのはありがたい」 千砂都「だけど、見る場所についてなんで『部室で』と言及したのか?ノートパソコンだから持ち歩けるし、どこで見てもよかったはず」
千砂都「知っていたんですよね?あれには最後の最後に部室に関する情報が必要なことを」
理事長「…はあ」
理事長「まったく、我ながら穴だらけじゃない」
恋「ゴール地点から改めて見たらという話であり、そこまで穴を隠せていた時点でなかなかのものだと思います」
恋「お母様がおばさまを協力者としたのも納得ですよ」
理事長「でもさ、解かせておいてなんだけど暗号なんか解かなくても隠せる場所なんて限られてるのよね」
恋「はい…よく考えたら暗号を解かなくてもここ以外に隠しようがないんですよね」 千砂都「結ヶ丘ができた後、どこがどうなるかなんて未知数だもん。隠したものが暗号なんて関係なく誰かに見つかるなんて事態はいくらでもありえる」
かのん「恋ちゃんのお母さんが作る学校って言ってもさ、どの部屋がどう使われるかをコントロールなんてできないよね」
可可「ここに改めて学校を作るのがいつになるのかも不確定だったデショウし」
恋「それでも、お母様の意志を継いで暗号を解いたものしか見つけることができない方法があるとするなら」
恋「宝自体を"信頼できる人"が守る場所に置き、その宝を手に入れる鍵が"意志を継いだもの"に確実に渡るようにする…これでしょう」 すみれ「理事長室の場所なんてそうそう変わらないし、協力者を理事長にすれば見張りにもなる」
すみれ「部室の鍵は学校じゃなくて自分の家に置いておけば渡したい人に部室ごと渡せるわよね」
恋「残念ながらお母様は亡くなり自らの手で後継者に渡すことはかないませんでしたが…」
恋「わたくしの勘違いで危うくダメになりそうではあったものの、そこもクリアされた」
恋「……というのが、わたくしたちLiella!がお母様とおばさまの謎に対して出した解答です」
理事長「…満点以上の大満点よ。私たちの思惑も超えて文句のない答えを出してくれた」 理事長「そうね、想定してたのとは違う展開にはなったけど目的は達成したしまあいいわ」
理事長「あなたたちに謎を解かせて最後に宝を渡す、それができてよかった」
理事長「なんせ、この暗号は昔わたしが…」
理事長「…いや、これは今は関係ないわね」
理事長「じゃあ、見ましょうか。あの子が残してくれたものを」
恋「はい…」 恋(理事長室の理事長席の下、台所などにあるような床下収納の中には…)
恋「箱…ですね」
恋(一辺15センチほど、ほぼ立方体といっていい形の箱がありました)
千砂都「で、ダイヤル式の鍵付きと」
かのん「どう考えてもこれを外せってことだよね」
すみれ「まっ、ここの答えはわかりきってるわよ」
可可「はい、なにしろ毎日のように見てきたノデ」
恋「はい、"4"と" B"ですね」
ガチャ…
恋「開きました!」 かのん「さーて、中には何があるのかな〜?」
理事長「何を入れたのやらね」
恋「知らないんですか?おばさまも」
理事長「そこだけは教えてくれなかったのよ」
恋「……これは」
恋「……紙が一枚?」
かのん「それだけ?」
恋「読みますね」 後継者さんへ
ここまでよくぞ辿り着きました
私なりに何かご褒美を用意しようと思ったのですが
結局、このような文を残すこと以外に思いつきませんでした
宝があると書いていたのに、と文句もありますよね
でも、私は嘘を書いたつもりはありません
私の願いが叶っているなら、私の宝物はあなたたちの目の前に絶対に存在しているはずです
ここであなたちに一つの言葉を贈ります。
こんな暗号に向き合い、その意味を解き明かしたあなたたちには必要のない言葉かもしれませんが…
「胸を張って夢を語ってください」
これは私の宝物が私にくれた言葉です
この場所があなたたちにとっても宝物になることを祈っています
あなたたちの未来に幸あれ
"大先輩"より 恋「これが…お母様の…」
恋「やっとたどり着きました…お母様」
すみれ「なんとなく言いたいことはわかるわ」
可可「デスが、どういうことデショウ?レンレンのママの宝はなんなのです?」
恋「わかりませんか?」
恋「理事長の足元にあり、今わたくしたちの目の前にあるもの」 恋「この学校ですよ」
千砂都「あ」
かのん「そっか、物理的にも意味的にも理事長の足元には学校がある」
恋「学校という施設だけでなく、そこでの経験や人間関係も含めてお母様は宝物と称したのでしょう」
理事長「………」
恋「おばさま?」 理事長「あ、いや…なんでもないの」
千砂都「いやー、うん!なんか納得したよ」
可可「そうデスね。学校を救うためにスクールアイドルとして活動し、卒業後も学校の復活のために戦ったレンレンのママらしいです」
恋「あの…これは」
理事長「箱ごと持っていっていいわよ。もうここにあっても仕方ないでしょ」
理事長「ほらほら、いつまでも理事長室にいないの!解散」 〜部室〜
千砂都「お母さんからの手紙か〜、よかったね恋ちゃん」
恋「はい…これは何よりも貴重な宝物です」
可可「あれ?箱に何か書いてありマスよ?」
千砂都「本当だ!ほら、底に」
恋「あ…」
恋(手紙を出した時には気づきませんでしたが、箱の底の部分に文字がありました)
恋「えっと…」 〜〜〜〜〜〜〜
最後の暗号
〜〜〜〜〜〜〜
再演をしましょう
まずは楽章のうちの5つ
その最後のフレーズに隠れた
何度も何度も巡る子たちを見つけてあげよう
2人足りないけれど心配はないわ
そうしたらその子と同じ地面の最後
そこにいる子の頭をありのまま見てあげよう
並び順は巡る順番よ
この箱の上にいた人とこの箱の中の"私"
二人のはじまりで足りないものを埋めて進もう
古き月の並びはまだまだ続くはず
次に来るべきものを最後に結んであげて
それが私の伝えたい言葉
あなたに伝わると信じています かのん「これは…また」
すみれ「暗号解いてまた暗号なんて」
恋「……解きましょう!私たちで」
可可「ククたちに解けないものなど無しデス」
千砂都「やっちゃおうか!」
……
……………… 恋(お母様の最後の暗号、最後の仕上げに5人で解いたその答えは…)
恋「これは…」
すみれ「そっか、うん私にもわかるわ…この意味が」
かのん「なるほどね」
千砂都「そうなるとここまでの一連の文章は」
可可「まさかの真実、デスね」
恋「本当に、わたくしは幸せものです…」 恋(さて、暗号解読はこれにて一件落着…)
恋(わたくしの目の前にはお母様の残した結ヶ丘という宝物と)
恋(Liella!という宝物と)
恋(そして学年を一つあげ、2年生となっての新たな日々があります)
恋(道は険しいかもしれませんが、手を差し出して繋がりを作り、胸を張って歩いていきます)
恋(繋いだ手と手の強さがわたくしの理想への道を作ると信じて) 〜〜〜〜回想終了〜〜〜〜〜〜
恋「というわけです」
千砂都「いや…ははっ、思い返すと我ながら恥ずかしい…」
メイ「……」プルプル
恋「……あの」
メイ「うおおおおおおお!!すっげええええ!なんだよその神エピソード!!」 千砂都「ん、んん?」
メイ「おいおいおい…スクールアイドルのレジェンドともいえる恋先輩のお母様の残した暗号?それを解き明かすために奮闘する娘?でもって一度は挫折と迷いの中にありながら、自分のやりたいことに気づいて!理事長とLiella!との熱い舌戦で」
メイ「あああああああっ!言語化が言語化が追いつかねーーよ!なんだよこの気持ち!!」
恋「これは…満足していただけたんでしょうか」
メイ「満足なんてもんじゃねーよ!!そんなの超えた湧き上がるものをなんて言ったらいいかわかんねーー!」
メイ「そっかぁ!こういう試練を乗り越えた先に今の先輩方がいるんだな!うんうん」 恋「あの…ですが…」
恋「こう…話の中では一大決意して歩き出したみたいな風になってますが、そう簡単にわたくしも変われないといいますか」
恋「メイさんもご存知のようにわたくしは2年生になってまた不甲斐ない事態に陥って…」
メイ「え!?……ああ……」
恋「はい…ゲームに熱中してこのようなていたらくに…」
メイ「えっと…うーん…」 恋「なかなか人は変われないものです」
メイ「いや、それは…違うんじゃないかな」
メイ「だってさ…恋先輩はちゃんと自分から助けを求めただろ」
恋「?」
メイ「その、後輩の私に対してどうなのかってのは置いといてさ…私が恋先輩がゲームはまってるの知った時にしろ、その後にしろ」
メイ「助けてほしいって自分から言ってくれたじゃんか」
千砂都「まぁ、メイちゃん以外への助けてはかのんちゃんが動いたからな上にメイちゃんに発破かけられてようやくという説も…」 メイ「細かいことは置いといて!」
メイ「恋先輩はどう思ってるか知らないけど、私は…その…変わってないなんてことはないと思う」
メイ「私だってLiella!に入って変わったところあるって思うし…2年やってりゃ私たち以上に変わってるはずじゃないかと」
メイ「って、何偉そうに語ってんだ私はっ!?」
コンコンっ!
メイ「おっと!誰かきたなっ!」 音楽科モブ「あ!いたいた恋ちゃん!」
恋「あなたは流しそうめん同好会の」
メイ「別の意味のレジェンドがきた!?」
音楽科モブ「聞いてよお!理事長ったらひどいんだよ」
理事長「あのね…あんな計画通るわけないでしょ!」
千砂都「あんな計画?」
音楽科モブ「おっと、嵐さんは興味津々かな?その名も…」
音楽科モブ「結ヶ丘まるまる流しそうめん大会!!」
千砂都「まる…まるっ!!?」 理事長「学校を一周する流しそうめんレール作って、みんな集めて、流しそうめんパーティ!って…」
理事長「まったくいつもいつも…常識でものを言ってちょうだいな…頭痛い」
音楽科モブ「えーっ、だってお姉ちゃんのところはオッケー出てましたよ」
理事長「他の学校は他の学校!ここは結ヶ丘なの!」
理事長「こんなことならちゃんと設立の時に止めとくんだったわ…」
恋「うーん、わたくしも許可してあげたいところなのですが」
音楽科モブ「お、恋ちゃんはわかってるね!お姉ちゃんのところすごいんだよ!なんと…逆流流しそうめんってのがあって」 恋「流しそうめんが…逆流するのですか?」
音楽科モブ「そうそう!まあ逆流するのは水なんだけどね!その水流に乗せて流しそうめんとか、あとは船の模型なんかも流して…」
恋「それは、楽しそうですね」
音楽科モブ「でしょでしょー!もしかしたらその逆流流しそうめんだってできるかも…」
理事長「そうやって、その場の勢いとその場しのぎで作られた見通しゼロの計画書がこれというわけね」
音楽科モブ「理事長お願いしますよ〜。流したいんです、そうめんをみんなで」 理事長「だったら、まずはちゃんと周りを納得させるものを書きなさい!あなたもうすぐ3年生でしょ!」
音楽科モブ「わかりましたよ…」
理事長「そうだ、恋ちゃ…じゃなかった葉月さん、ちょうどいいから少し理事長室まできてもらえる?」
理事長「来年度の新入生について、話したいことがあるの」
メイ「来年度の…」
千砂都「そっか、メイちゃんたちにも後輩ができるんだね」
千砂都「そして、ついに私たちも3年生か」
千砂都「部室の掃除は私とメイちゃんがやっとくからさ行っておいでよ、生徒会長さん」 〜理事長室〜
理事長「いやー、明日渡そうと思ってたんだけどね」
理事長「生徒会長がいるなら今渡しちゃってもいいかなと」
恋「はあ…」
理事長「あ、そういえば!さっき持ってたあの封筒って」
恋「おばさ…すみません、理事長も覚えていたんですね」
理事長「忘れるわけないわよ」
理事長「どう?あの時と今を比べて」 恋「あの時は迷惑をかけたくないという気持ちが強かったのですが、今は逆の立場からも考えられるようになったと思います」
理事長「逆ね」
恋「はい、先輩という立場になってわたくしもわかりました」
恋「思いやりや意地…迷惑をかけるのをためらう理由はいくつもあるのでしょう…それは個人の流儀であり、譲れないものであり大事なもの」
恋「ですが…それはかける側の話」
恋「案外、迷惑をかけられる側というのはかける側ほど気にしていないのですね」
理事長「………今だから言うけど、あれはね…昔、まだ私と花が学生の時に花が私に出した謎解きなんだ」 理事長「最後の箱は私の時には無かったけどね」
理事長「あと、恋ちゃんたちはあれを学生時代の花が書いたと思ってたみたいだけど、実はちょっと違うのよね」
理事長「どう?衝撃の事実」
恋「えっと…大枠は当時のものの流用ですが、あの謎自体はずっと後にお母様とおばさまが作ったものですよね」
恋「当時のお母様があれを書くのは不可能でしょうから」
理事長「驚くと思ったのに、もう知ってたの?」 恋「はい…証拠もありますので」
理事長「あら、証拠って何かしら」
恋「それは…今は秘密ということにさせてください」
理事長「……そう、じゃあきかないであげましょう」
恋「はい、では失礼します」 恋「…ふぅ」
恋「さて、わたくしももう最高学年ですか」
恋「後進の育成、卒業後の進路に向けての研鑽、そして…」
恋「前人未到のラブライブ連覇、やるべきことは多いです」
恋「まだまだ未熟なわたくしですが、つないでいきましょう」
恋「迷惑なわたくしと共に夢を目指す人の輪を、この結ヶ丘で!」 〜エピローグ〜
理事長「秘密か…やっぱりあなたの子ね、花」
理事長「あーあ、年甲斐もなく思い出しちゃったわ」
理事長(あの頃の私はいつも焦ってた。花たちが学校のアイドルとして活躍して、私たちがそれを支えて…それでも廃校は止められなくて…)
理事長(そんなある日、花が私にあの謎ときを出した) ※理事長の名前がわからないので名前無しセリフ=学生時代の理事長のセリフとして書いています
〜◯◯年前〜
〜神宮音楽学園・理事長室〜
「謎は解いたけど…なんのつもり?」
「『タカラハアナタデス』って…こんな紙切れ、理事長の椅子の下に貼ってさ」
花「最近、元気ないなって」
「当たり前でしょ、だって…もう私たちにできることなんて」
花「何も無い…か」 「私たちにできることなんて最初から無かった」
「全部無駄だった…花たちがアイドルはじめたのも…私たちが学校全部で花たちの応援したのも」
花「……私はそうは思わない」
花「だって、私には夢ができた…私の人生をかけて成し遂げたいものが見つかったんだ」
「夢?」
花「ねえ、私と学校を作ってみない」 「学校を…作る?」
「なに…………ふざけてるの?」
花「私は真面目に言ってる」
「まだわからないの?」
「私も、花も、他のみんなも全力を出した!その結果がこれなんだよ!?」
花「うん」
「どんなにがんばっても届かなかった、どんなに声をあげても、どんなに時間をかけても、できないものはできないって知るだけだった」
「一生をかけて成し遂げたい夢?そんなの勝手にやってよ!私の人生なんだと思ってるの?」 花「そうだね…うん」
花「でもしょうがないよ、私…やりたいんだもん」
「……は?」
花「ここにまた学校を作って、私たちがこの学校でやったこともできたつながりも無駄じゃないんだって言いたいんだもん」
「…花のやりたいことのためにどれだけの人を巻き込んで、どれだけのことをやらないといけないか…わからないわけじゃないよね」
「夢って言ってるけどさ、それがダメになった時どうなるか考えた?」
「アイドル活動で学校を救うなんてのとは比べものにならないくらいたくさんの人の人生を巻き添えにして…迷惑かけちゃうんだよ」 花「考えたよ、それでも私は今こうやってあなたに話すことを選んだ」
花「絶対にここにまた学校を作るって、そう決めた」
「どうやって?学校のみんなで手を繋いだ、先生方も大人の人も協力してくれた、それでもダメだった私たちがどうやって」
花「もっともっとたくさんの人と手を繋ぐ!ここで繋いだよりももっとたくさんの人と!」
花「この学校で、アイドルをやって、手を繋いでそれでもダメだったとしても、世界にはもっとたくさんの人がいる!」
花「叶える力が足りないなら、足りるまで手を繋ぐ」
花「それしか思いつかないから、それを一生かかってやってみる」 花「だって私は…まだ終わらせたくない」
花「私と手が繋がった人たちと証明したい、私たちが結んだつながりは夢を叶えられるんだって」
「……あきれた」
「どんな大層な計画をしているのかと思ったら、そんなの今までやってきたことと同じじゃないの」
「ほんと、迷惑な人よあんた」
花「これがどんな迷惑なことか、私だってわかってる…」
「いつも花はそう」
「やりたいことがあったら私の事情なんて考えずに、一緒にやろうって言ってくる」
「そのせいで私がどれだけ迷惑かけられてきたか」 花「そうだね…今まで何度も迷惑かけた…」
花「でも、この手は絶対に引っ込めないよ」
花「だって!私はまずあなたと手を繋ぎたいの!私のそばでずっと手を繋ぎつづけてくれたあなたと、これからも手を繋いで夢を叶えたいの!」
「だったら…せめて胸を張ってそのくだらない夢を語ることね」
「私の隣でこれから先ずっとその夢を押し付けて、繋がりとやらを広げて行くんでしょ」
花「……いいの?」
「もともと私には他にやりたいこともなかったしね」 「だけど、私はやるからには成功したいし、私を巻き込むに足りる自信を持った人に巻き込まれたい」
「私に申し訳ないとか、そんなこと一言でも言おうもんなら花の夢には付き合わない、それでいい?」
花「それは…大丈夫」
花「私、あなたに迷惑かけるのは慣れてるから」
「慣れちゃいけないものもあるわよ…」
「あーあ、まさか暗号ちまちま解いたら人生が決まっちゃうなんて思わなかった」
「ん?『タカラハアナタデス』って」 花「あ、気づいちゃった?」
花「そうなのですよ。最終的にタカラを手に入れたのは私なのです」
花「私の夢の実現にはあなたが絶対に必要だから、どうしても手に入れたかったんだ」
「ったく、なんで私なのよ?そりゃ腐れ縁でずっと一緒にいたけどさ」
「そこまで私にこだわる理由がどうもわからないというか…」 花「えー、私はあなたからいっぱいもらってるんだけどな」
花「今日もものすごいものもらっちゃったし」
「何よそれ?私は花になんもあげてないわよ」
花「ま、話せたら話すからさ…今は秘密ってことにさせてよ」
…………
…………………… 理事長「まったく、なんだかねー」
理事長「『宝はあなたたちの目の前』とか『これは宝物が私にくれた言葉』とか」
理事長「そんで『宝は理事長の足元』ときた…あたし自身も、この学校も全部まとめてってわけか、花」
理事長「ま、私も胸を張りたいから…守らせてもらうよ花の残した宝物ってやつをさ」
END これにて終了です
長々とお付き合いいただきありがとうございました
多くの作品が読まれるであろうコンペの作品としてこんな長いの書いてどうするんだという気持ちが湧いてきてますが、書ききれてよかったです
ここで一つ出題
なぜ恋は一連の暗号は花が学生時代に作ったものでないとわかったのか?
まあ、ここまで読んでくれた人ならどこにヒントがあるかは悩むまでもないと思います
一応、確定とはならないけど補完程度になる要素も作中にあります
気が向いたら挑戦してください
最後に、本来であればこの話はこうして形になることもなくひっそりと消えていくはずでした
筋書きだけはなんとなく考えたものの書き切るモチベーションが湧かず、お蔵入りになるはずでした
書けるかどうかわからない、でもこの話で勝負をしてみたい、そんな衝動が無ければまた挫折していたかもしれません
きっかけをくれたSSコンペ企画者さんに感謝を申し上げてひとまずは筆を置きます ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています