千砂都「絶対にクゥクゥちゃんが帰国しない方法を思いついたよ!」すみれ「言ってみなさい」
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千砂都「天安門事件って書かれたハチマキをさせるの!」
すみれ「却下」
千砂都「なんで!? 絶対強制帰国だよ!」
すみれ「下手したら拘束されるでしょう!? なしったらなしよ!」
千砂都「名案だと思ったんだけどなー」
恋「(海賊サイト対策みたいですね……)」 ウィーン「葉月恋」
恋「あら、マルガレーテさん。どうなさいました?」
ウィーン「旧校舎……? とやらで拾ったわ」
恋「まあ、それはでんでん太鼓ですね」
ウィーン「でんでん太鼓?」
恋「ええ、子どもをあやす時に使うんですよ、こう、回すと音が鳴るのです」
ウィーン「へぇー、博識なのね?」
恋「褒めて頂けるのは恐縮ですが、知名度は高いですよ」
ウィーン「なんでそんなものが高校に?」
恋「旧い建物ですから」
ウィーン「それで片付けるの?」
恋「あ、これをしまうことを片付けると称したのですね? お上手です」
ウィーン「(まんざらでもない)」 きな子「CEO! たいへんッす!」
夏美「なんですの騒がしい」
きな子「えへへ、一回こういう台詞を言ってみたかったっす」
夏美「ああ、別に緊急事態があったわけではありませんのね、心配して損しましたわ」
きな子「ええー? 今なんて言ったっすか~?」
夏美「騒々しいのは勘弁と言っただけですわ」 かのん「マルガレーテちゃん。オーストリアには日本のひな祭りに該当する文化はあるの?」
ウィーン「ああ……確か、日本の桃のセックスという……そうね、子作りは万国共通」
かのん「違う。ファンブックでサニパさんと一緒の1ページの扱いだったからってふてくされてない?」
ウィーン「くされてない」
かのん「桃の節句ね。節句は1月7日とか5月5日、7月7日と9月9日を指すんだよ」
ウィーン「7月7日……知っているわ。一年間会えなかった男女が子作りする」
かのん「節句ね、セックスじゃない」
ウィーン「でも、コンビニに売られている週刊誌には節句って文字がいっぱい」
かのん「それはセックスなんだよ、18禁コーナーに行く途中でヤンマガ立ち読みしているときに目に入るの?」
ウィーン「ヤングアニマルなら」
かのん「それはもうセックスなんだよ、私が言っているのは節句」
ウィーン「日本語は分かりづらいわね」
かのん「セックスは日本語じゃねえよ、もうええわ! ……こんなの学校祭の余興でできないよ!?」
千砂都「かのんちゃんにセックス連呼させたいがための台本だからね」 かのん「……業が深いといやらしく聞こえてしまう単語山手線ゲーム!」
ウィーン「居残り」
かのん「補習」
ウィーン「個人レッスン」
かのん「夜更かし」
ウィーン「長風呂」
かのん「駅弁」
ウィーン「えきべん?」
かのん「女性側が首に巻き付いて、男性が太ももと両腕で女性を支える体位」
ウィーン「……ごはんを食べるときに思い出したら嫌だからサンドイッチ持っていくわ」
かのん「サンドイッチもあるんだなあ」
恋「なるほど、こういう風に無駄話をして夜更かしをした挙げ句テストの日に遅刻をしたと」
ウィーン「アイムソーリー」
かのん「ヒゲソーリー」
恋「マルガレーテさん! かのんさん!」
ウィーン「私も悪いの!?」 悠奈「おー、千砂都ちゃん、今度タコパしたいんだけど~40名」
千砂都「40名! 団体ですね」
悠奈「支払いはカードで」
千砂都「あ、ウチは現金だけなんです」
悠奈「じゃあ良いです」
千砂都「たこ焼きキッチンカーにも即対応!」
悠奈「キャッシュレス化に乗り遅れるな!」
摩央「キッチンカーでコントできるんだから尊敬するね……」 メイ「なあ、四季……何やってんだ?」
四季「I字バランスだけど」
メイ「なんで人の部屋に入ってすることがそれなんだよ!?」
四季「ということは全校生徒が視線を向けるステージの上で?」
メイ「ド変態じゃねえか!?」
四季「なるほど。恋先輩は変態だと」
メイ「え?」
四季「恋先輩はフィギュアスケート属性を持つ変態だと」
メイ「……ま、まさかお前……」
四季「Yes,滑るときにI字しますが何か考えることはありますかと聞いた」
メイ「誰もが考える、アレやってて恥ずかしくないんかなを躊躇わずに聞く若菜四季やべーっ!」
四季「もっと褒めて」 かのん「ちいちゃんって胸が小さいよね?」
千砂都「身に(ミニ)覚えがないです」
恋「ぶふぅ!? ……うっ……ぐっ……」
千砂都「そういう反応身に(ミニ)つまされます」
恋「ぐっ! ふふっ……ッッッ!!!!」
クゥクゥ「れ、レンレンが! レンレンが死んでしまいマス!」 かのん「んっ……はぁ……♡♡んんっ…だめ…それ以上は……ぁ♡」
千砂都「あうっ…じょ、上手だね……っ……んびぃ♡♡ああっ♡♡」
クゥクゥ「ひゃぁん♡♡…っ…うぅ……だめ……デスよぉ♡♡♡♡」
すみれ「んひぃ!? あっ、だめ、だめ、んあぁ♡♡おっ……ぐっ……んふぅ♡♡」
恋「あっ♡♡んっ♡♡おっ♡♡んん……♡♡んはぁ♡♡」
夏美「うふっ、女子マッサージ同好会とのコラボ動画、良い映像と声が撮れましたの~」
きな子「CEO~。何してるっすか~?」
夏美「これでオニナッツチャンネルの登録バク上げですの~(←聞いてない)」
きな子「夏美ちゃん」
夏美「ひぃ!? な、なんですのいきなり!?」
きな子「消して(目のハイライトが消える)」
夏美「ヘイ」 クゥクゥ「なるほどぉ! レンレンは教えるのが上手デス!」
恋「いえ、すみれさんと日夜学んでいたからこそですよ」
クゥクゥ「そうなんデス! でも、しゅみれはスパルタなんデス!」
すみれ「分かってるか分かってないか分からないボケ飛ばすからでしょうが」
恋「あらまあ、では、すみれさんが厳しくして頂けるからこそ、わたくしも甘くできるのですね」
すみれ「あんまり甘えさせないでよ? その子、すごく調子に乗るんだから」
クゥクゥ「褒められて伸びる子なんデスよ」
恋「お二人の関係はとても素敵ですよね、わたくしは憧れてしまいます」
すみれ「そう? 私のこともクゥクゥのこともよく理解している」
クゥクゥ「さすが生徒会長サマ、なのデス」
恋「そんな、様付けで呼ばれるようなものでは」
すみれ「誇って良いのよ、あなたの生き方……そうそうマネできないから」
クゥクゥ「そうそう、しゅみれが人を褒めるなんて滅多にないから受け取っておくべきですよレンレン」
すみれ「なんですってぇ!?」
クゥクゥ「キャー、助けてくださいレンレン~」
恋「(……お二人とも)」 ウィーン「ねえ」
恋「あら、マルガレーテさん」
ウィーン「……私、意外と優秀なのよ」
恋「はい、それは存じていますよ、スクールアイドルとしての練習にも精通しておりますし」
ウィーン「違う」
恋「……違いました?」
ウィーン「私は頭が良いから、支えになる人がいて自らの行動が成り立つと知っているの」
恋「はあ」
ウィーン「その礎になるのが……あなたみたいな才能のあるヤツというのが悔しいの」
恋「つまりは……お手伝いしたいと?」
ウィーン「違うわ」
恋「あ、違いました」
ウィーン「才覚があるヤツが練習できないというのが悔しいだけ、不本意ながら手を貸すわ葉月恋」
恋「……」
ウィーン「何よその顔」
恋「お優しいんですね」
ウィーン「フン」 かのん「……恋ちゃん、ありがとう」
恋「……チビを背中にくっつけて感謝されると緊張を覚えますが」
かのん「私が作詞で悩んだときもおうちを提供してくれたし」
恋「せめてもの罪滅ぼしです」
かのん「どこぞの幼なじみはハラスメントするだけだし」
恋「千砂都さんは出来ない人に横暴なだけです」
かのん「分かってくれる!?」
恋「で、出来ると信じているからという大義名分があるから、そうなれるのでしょう」
かのん「私だって人間だから出来ないことだってあるんだよ!」
恋「お花を染め上げられるじゃないですか、人間業じゃないですよ」
かのん「先輩は雨止めって言って雨を止ませたからセーフ」
恋「夏美さんが、アレを撮影してアップしたら鬼バズりだったって言ってましたよ」
かのん「謎センス過ぎて見せられた人が地蔵になったりしない?」
恋「し、しませんよ!? ……たぶん」
かのん「うわーん! 恋ちゃんが普通に感謝させてくれないよ~!」
恋「(かのんさんとクゥクゥさんには大きすぎる借りがありますからね……)」 すみれ「……掃除、か」
妹「お姉ちゃん?」
すみれ「……左足から踏み込んでターン、ツーッタッタッタ」
妹「お姉ちゃん!」
すみれ「わっ、びっくりした! 驚かせないでよ!?」
妹「おさボリしているのが良くないんでしょ?」
すみれ「……そ、そうね、つい」
妹「スクールアイドルって、楽しい?」
すみれ「そう、ね」
妹「楽しいときは楽しいってハッキリ言うの!」
すみれ「た、楽しいわ!」
妹「ん、よくできました。お掃除頑張ってください」
すみれ「あんたも頑張るったら頑張るのよ」 クゥクゥ「しゅ、しゅみれ~!? た、助けてください! 助けてください!」
すみれ「何よいきなり、世界の中心で、愛をさけぶみたいなこと言い出して」
クゥクゥ「そ、その、姉姉(ねえねえ)と国際電話してたデスが」
すみれ「そうね、セカチューでもスマホとかあったらもっと良かったかもね、内容知らないけど」
クゥクゥ「ククも知らないですが、セカチューの話じゃないんデスよ!」
すみれ「ハイハイ、なんでも言ってごらんなさい。簡単に解決できることは手助けするから」
クゥクゥ「微妙に釈然としないデスね!? その、姉姉が……しゅみれに代われと」
すみれ「ハア?」
クゥクゥ「どうやら、ククがしゅみれにキズモノにされたと勘違いしているみたいで」
すみれ「なんでよ!? 休日にはクゥクゥの家でお泊まりして一緒にお風呂入って布団並べて寝ただけじゃない!?」
クゥクゥ「そうなんデスよ!? クク! なんども誤解だと言ったデスよ!」
すみれ「埒が明かないわね……ハイ、お電話代わりました……あ、中国語分からないデス……」
クゥクゥ「姉姉なんて言ってたデスか!?」
すみれ「日本語っぽい感じでお前を殺すって言ってたけど、これ、日本語に直すとどんな感じなの?」
クゥクゥ「あ、それはたぶん、日本語でお前を殺すってコトデス」
すみれ「ノォォォォォォ!?」 メイ「獅子は千尋のなんとやらって言葉あるじゃん」
四季「うん、メイ可愛い」
メイ「(無視)あれさ、もしも子どもが這い上がってこられなかったらどうなるんだ?」
四季「それはもちろん、地面オブザデッド」
メイ「酷くね?」
四季「酷くはない。生存競争が厳しい野生の世界では生き残ったモノが正義」
メイ「……」
四季「捕食されるのが可哀想、生存競争で生き残れないのは可哀想、確かにそう」
メイ「……」
四季「でも資源には限りがある。座れる椅子の数は決まっている」
メイ「でもよぉ」
四季「人間もそう。助けられる数は決まっている。二本の腕しかないから」
メイ「……」
四季「でも、可哀想とメイが思うのなら、その子は報われたのかもしれない」
メイ「……オチは?」
四季「夏美と会話をするときにはつけるから任せて欲しい」 四季「夏美」
夏美「おや? 四季ではありませんの。珍しいですわね、夏美の名前を……」
四季「どうしたの?」
夏美「一年近くあなたのクラスメートやってますが、名前を呼ばれた記憶がほとんどありませんの」
四季「気のせい」
夏美「そうですの? まあ、気のせいなら仕方ありませんの」
四季「イエス」
夏美「で、何の用ですの?」
四季「クラス替えになったら残念だから名前を呼んでみた」
夏美「確信犯ですの」 きな子「恋先輩の豪邸での朝食すごかったっすねぇ……」
夏美「ちょっと待つですの。それは孔明の罠ですの」
きな子「ええ!? 朝から熟成肉を使ったサンドイッチと粉末じゃないコンソメスープは孔明さんが作ったっすか?」
夏美「違いますの!?」
きな子「分かってるっす。朝から膨れるCEOにちょっとしたお茶目っす」
夏美「……住む世界が違う人と感じましたの。ピアノスキルにバレエスキル、大きなベッドに大きなお屋敷、一番、と感じましたの」
きな子「でも、一年くらい前は生活費が差し止められてメイドさんにお給料が払えないレベルだったそうっす」
夏美「虐待ではありませんの!? 生徒会長職を一人でやっていたことと言い、憂慮にあまりありますですのよ!?」
きな子「新設校で先代からのノウハウもないまま会長職をして、家では切り詰めた生活をして、今では報われて良かったっす」
夏美「……そうですのね。夏美、嫉妬したのがバカみたいですの」
きな子「そうっす。なのできな子も生徒会の仕事頑張るっす!」
夏美「え? あー……そういえばきな子は生徒会書記でしたの。忘れてましたの」
きな子「CEO酷いっすよ!?」 恋「はぁ……」
メイ「どうしたん先輩、お疲れ?」
恋「ええ、一つログインボーナスを取りそこなたゲームがあるのが分かってしまって」
メイ「やり過ぎなんだよ」 千砂都「恋ちゃんって大人になったらお酒で失敗しそうなイメージがある」
恋「唐突にダメ出しを受けました!?」
かのん「ごめん。あると思う」
すみれ「……」
クゥクゥ「れ、レンレンのそういうところもククは良いところだと思います」
恋「傷口に塩を塗るのは良くないですよ!?」
千砂都「かのんちゃん。大人になってもお酒は飲んじゃダメだよ」
かのん「そしてまさかのお酒禁止令!? そんなに失敗するイメージあるの!?」 ウィーン「へー、澁谷かのんはお酒で失敗しそうなイメージがあると」
かのん「酷くない!? マルガレーテちゃんのほうがヤバそうじゃない!?」
ウィーン「は? 聞き伝てならないわね? キャノーン・シブーヤ」
かのん「だって、私たちに負けたらキレたし、沸点低くなりそう」
ウィーン「澁谷かのん。今のであなたが酒の席で失敗する理由が分かったわ」
かのん「マジスティック?」
ウィーン「イエス」
かのん「ブラフ?」
ウィーン「ノー」
かのん「じゃあ言ってみてよ? 納得できない理由だったらマルガレーテちゃんのあだ名をカルボナーラにするからね!」
ウィーン「確かに私はキレたわ、怒り狂ったわ、本気だったからね」
かのん「……」
ウィーン「でもあなたは素面でそんな私にマジレスしたわ! 酒が入ったら暴力沙汰になりそうなマジレスをね!」
かのん「そんなにエグかった?」
ウィーン「ま、過去の事よ。それより酒を酌み交わすようになったら、本当の歌ってなんなのよってさんざっぱらイジってあげるわ」
かのん「カルボナーラ」
ウィーン「おい、いい話だったろ」 きな子「四季ちゃんはどうしてクワガタが好きなんすか? メイちゃんの影響っすか?」
四季「確かにメイはクワガタと顔面がそっくりだなと思うときがあるけど、違う」
メイ「お前あとで腹に膝喰らわせるから覚悟しとけよ?」
夏美「お、お、落ち着くですの!?」
四季「私がクワガタを好きな理由……正直、よく分からない」
きな子「分からないっすか?」
四季「きな子も好きな人、モノがあったかと思う。どれも、最初はそうでも無かったはず」
きな子「あー、そうっすねー」
夏美「……」
四季「色んなモノに熱意を向けて、好意を向けて、嫌いなモノにも触れてきたと思う」
きな子「……」
四季「情熱が残っているのがクワガタ、明日には絶えるかもしれない、別のものに執着するかもしれない」
メイ「……」
四季「ただ、今かける熱意が本物。ただそれだけ……相手は生き物だから、途中で投げ出したりはしないけど」
メイ「お前あとで膝蹴りって言ったけど、往復ビンタで許してやる」
夏美「そこはちゃんと許すべきですの!?」 かのん「日本にはせがた三四郎っていう最強の柔道家がいてね?」
ウィーン「聞いたことがないわね」
かのん「エーデルシュタイン~?」
ウィーン「えーのニュアンスで人の曲名使わないで」
かのん「マルガレーテ~?」
ウィーン「知らないの~? なら普通に言いなさい。じゃあなんなの? オリンピックのメダリストとか?」
かのん「違うよ、せがた三四郎は地球を救った勇者だよ。ドリームキャストだけが救えなかった」
ウィーン「ドリームキャスト?」
かのん「というわけで、ここにせがた三四郎の活躍がまとまったVHSがございます」
ウィーン「デカっ!? 何この記録媒体!?」
かのん「タイタニックとかだとコレ二つだよ? 途中で交換するんだよ? とまあ、それはともかくカシャっとな」
~~~~~~
かのん&ウィーン「せ、せがた三四郎~~~~~~!?」 クゥクゥ「なんというでしょう~」
すみれ「匠の手によってベルーナドームに隙間風が吹くようになりました!」
クゥクゥ「違いマス!」
すみれ「春先のオープン戦、アグーがめっちゃ寒そう」
クゥクゥ「来年からソフトバンクだからセーフデスよ」
すみれ「ま、まだ移籍すると決まったわけじゃ……」
クゥクゥ「匠ではないですが、しゅみれのプリがもっと可愛くなったデス!」
すみれ「なんで自分のことじゃなくて相手に一生懸命なのよ?」
クゥクゥ「クク、気づいたですよ。自分が褒められるよりすみれが褒められた方が嬉しいのデス」
すみれ「……」
クゥクゥ「スクールアイドルも自分の満足より、ファンの満足が優先デス。ラブライブで結果が出なかったとしても」
すみれ「サニパさん、これからは応援してくれるファンのために活動を続けるって言って……尊敬しちゃうわね」
クゥクゥ「ククたち、運良く優勝したデスが……もっと大切なモノがある気がするデスよ」
すみれ「そうね、ラブライブは3年しか出られないけど、ファンのためにならいつまでも活動できるモノね」
クゥクゥ「おばあさんになるまで踊るデスよ~」
すみれ「老人ホーム系アイドルはちょっと……」 恋「思い出、ですか?」
かのん「そ、今、作詞をしててね? 行き詰まっているから」
恋「そう……ですね。思い出と言えばささやかなものしかありませんが」
かのん「うんうん」
恋「誕生日が思い出深いですね」
かのん「誕生日?」
恋「昔は母と父……いつからか母だけになり、サヤさんに代わり……」
かのん「あーっ! ごめんごめん、変なこと聞いちゃった?」
恋「いいえ、わたくしの誕生日を祝って下さる方が年々増えていくのです。来年、新入部員が入ってくださればその方も」
かのん「……」
恋「大切な方々が母の遺した学校によって増えていくのです。スクールアイドルを通じて、皆様にも伝えたい」
かのん「……」
恋「このことを上手く歌詞に出来ないでしょうか?」
かのん「ハードル高すぎるけど頑張るよ~!?」 きな子「心に描くモノって分からねえっす~!?」
夏美「まあ、心をそのまま見せたい的なことは太古から人は言っていますの」
きな子「うう……作詞って難しいっすねえ」
夏美「なんでも難しいんですのよ」
きな子「なんでもっすか?」
夏美「ええ、北海道から単身入学してくるのも難しいでしょうし、スクールアイドルだって」
きな子「……」
夏美「一番になるのは、なんだって難しいですの」
きな子「二番じゃダメなんすか?」
夏美「妥協して良いものが出来るんなら、それもアリなんでしょうね」
きな子「妥協?」
夏美「でもま、だいたい一つしか席はありませんの。優勝者と呼ばれる人がそうであるように」
きな子「はいっす」
夏美「でも、優勝なんて結果に過ぎませんの」
きな子「ん?」
夏美「夏美は過去の自分を否定しませんの、一番になれなくてもしてきた努力が尊かったですの」
きな子「結果……」
夏美「おおよそ、完成された歌詞を夢見て、過程をまったく考えてないから何も出来ませんのよ?」
きな子「あっ」
夏美「もう、ノートにはずいぶんと書かれてますの、夏美も、協力するから」
きな子「……最初から素直に手伝いたいって言うっすよ~?」
夏美「うっさい」 四季「メイ、ピザって10回言って」
メイ「エーデルシュタイン~?」
きな子「(アレはお約束っすね、CEO)」
夏美「(かのん先輩のリアクションは流行ってますの……?)」
メイ「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」
四季「食べたいなあ」
きな子「食べたいっすか!?」
夏美「そこは肘を指さすタイミングではないですの!」
四季「メイの髪の色がサラミみたいなのが悪い」
メイ「お前の血で髪の毛赤くしてやろうか?」
夏美「メイはお腹が空くとすぐに血で血を洗う悪魔みたいなこと言いますの」
きな子「おお、や、やめるっす! スニッカーズ食べるっす!」
メイ「お前らも共犯な」
夏美「四季が悪いですの」
きな子「サラミなんて表現することはないっすよ」
四季「オーマイガ! ユーの名前はメイっ、痛い痛い! アイムソーリーヒゲソーリー……痛い痛い!」
きな子「(痛い思いをしても構って欲しかったっすね! 分かるっすよ!)」 すみれ「差し入れよ」
恋「ああ、ありがとうございます」
すみれ「生徒会活動お疲れ様」
恋「ふふっ、会長職を争ったことも……ありましたね」
すみれ「生徒は見ていたのよ、あなたの頑張りをね」
恋「いえ、生徒会長(仮)が正式になっただけです」
すみれ「ソシャゲのペースは落としなさいったら落としなさい」 かのん「おおぉ……歌詞が思い浮かばない……」
四季「かのん先輩、計画性は伴っていますか?」
メイ「……?」
四季「考えとは、企て、過程を経て、結論に至るまでを表します。そうでない考えなどただの雑念です」
メイ「おま、悪いもんでも食べたか?」
四季「人の努力は報われるべき、でも、その努力は行動を伴ってのモノでしか確認されない」
四季「ゆえに私は全力で協力をするまで、メイ、あなたは?」
メイ「きょ、曲! まずは曲を聴いてみないか先輩! 気が変わるかもしれないし!」
かのん「二人とも……行き当たりばったりや思いつきで作ってると酷いモノが出来るんだね! ねえ、マルガレーテちゃん!」
ウィーン「え? なんかの象徴みたいに言われるの解せないんだけど?」 クゥクゥ「しゅ、しゅみれ~!? 姉姉からまたしても電話デス!?」
すみれ「私がお泊まりした時を狙いすまし過ぎない!?」
クゥクゥ「今回はニノテツを踏まないように、しゅみれのことを徹底的に報告から避けたデス!」
すみれ「なんでバレたのかさっぱり分からないったら分からないわね!?」
クゥクゥ「とりあえず電話に出るデス!」
すみれ「はい、お電話変わりました……ハイ、お義姉さん。ええ、あ、以前のことを謝りたい……?」
クゥクゥ「ね、姉姉はやっぱり分かってくれる人でした!」
すみれ「え? あ、ハイ、中国語はまだ勉強している最中ですので……あ、ハイ……」
クゥクゥ「姉姉はなんて言ってたデスか!?」
すみれ「そうね、中国語で首を洗って待っておけみたいに言ってたけど、それってどういう意味なのかしら?」
クゥクゥ「それは日本語で首を洗って待っておけという意味デス!」
すみれ「あと、今度、結女に顔を出すって言ってたわ」
クゥクゥ「中国語でデスか!?」
すみれ「めっちゃ流暢な日本語で」
クゥクゥ「もうしゅみれが中国語勉強する必要なくないデスか!?」
すみれ「や、ご両親ともキチンとお話ししたいし……それに、ご家族を大事にするんでしょう?」
クゥクゥ「ああ、ファミリーを大事にする文化はありますね」
すみれ「ご家族?」
クゥクゥ「ファミリー」
すみれ「わたしのーおはかのーまーえでー なかないでくださいー」
クゥクゥ「まだそうなると決まったわけじゃないデスよ!?」 ウィーン「澁谷かのん」
かのん「ん、どしたの?」
ウィーン「相変わらず作詞で行き詰まっているようね?」
かのん「二期生のみんなが手伝いをするようになって」
ウィーン「なって?」
かのん「みんなより良いもの作らなきゃってプレッシャーになってるんだよ!」
ウィーン「メンドクサイヒト」
かのん「負けヒロインみたいにすべり台に立ってる人に言われたくないんだよ」
ウィーン「フン、私がラブライブで優勝したら逆襲の場所として崇め奉られるからいいの」
かのん「逆襲のウィーン……ウィーン・マルガレーテは伊達じゃない!」
ウィーン「本当の歌が歌えたらアクシズを押し返せるんでしょうね……どうしたの?」
かのん「や、伊達って言葉に妙に親近感を覚えるって言うか、自分ではない自分の名前を呼ばれているようで」
ウィーン「って、澁谷かのん! 逆襲のシャアじゃシャアは逆襲できてないじゃないの! 私がラブライブで優勝するのよ!」
かのん「逆に聞くけど、逆襲のなんとかって作品で逆襲できてる作品あるの?」
ウィーン「……そして輝く」
かのん「ウルトラソウル! ハイ!」
ウィーン「コレで勝ったと思うなよ~!?」
かのん「……ったくもう、差し入れしてくれるなら素直に渡してくれれば良いのに、あ、ケーキ美味しい」 夏美「ダボダボのTシャツで筋トレしてみた? んー? ありがちで……」
夏美「100万再生……!? 食パンボーノチャンネル……な、なにものですの!?」
夏美「ノーブラノーパンダボTで柔軟してみた……体操してみた……踊ってみた……ど、どれも恐ろしい再生数ですの!」
~~~翌日~~~~
夏美「みなさーん! 夏美がLiella!のみんなの再生数アップに貢献する案を思いつきましたの~」
すみれ「はあ? どうせ前みたいに恋にリズムゲームやらせてみた的なアホな企画なんでしょう?」
かのん「ううん、とりあえず理由を聞いてみた方がいい気がするんだよね」
クゥクゥ「(かのんはしゅみれにちょっと当たりが厳しいですね……)」
夏美「これ、コレを着て練習をして欲しいですの」
千砂都「古着のTシャツ?」
恋「なじみ深いです」
夏美「ずばり再生数のトレンドはコレ! 古い文化を大切にする心! 先人に対するリスペクトですの!」
メイ「ま、先輩がなければ今の文化もなかったわけだからな、どうした四季?」
四季「まあ、私は柔軟も体操もダンスも得意だから」
きな子「唐突な自慢ッす!?」
夏美「さあ、先輩方から……」
かのん「ん?」
千砂都「どったの?」
夏美「かのん先輩と千砂都先輩は需要がなさそうなので」
かのん「うん、何か理由がある気がするんだよね?」
千砂都「ちょっとお話、いいですか~?」 夏美「恋センパイ、偉大なる作曲家になったという体でインタビューに答えて欲しいですの」
恋「偉大……それは、ベートーヴェンやシューベルトレベルと言うことでしょうか?」
夏美「まあ、その辺の想定はお任せしますの。では、スタート」
恋「う……うう……おお……うう……」
夏美「どうしましたの!?」
恋「まずは偉大な作曲家を降霊させようと」
夏美「ガチすぎますのよ!? 恋センパイがなったつもりでいいですの」
恋「はい」
夏美「ええと、まずは作曲との出会いは」
恋「……」
夏美「大きな声で泣き始めた議員みたいなポーズしてどうしましたの?」
恋「ベートーヴェンは耳が不自由だったそうなので」
夏美「真面目すぎますの!?」 四季「メイ、唐突だけどきな粉は身体に良い」
メイ「唐突だな!?」
四季「ミネラルやビタミンが豊富に含まれている」
メイ「急に豆知識言い出したぞ!?」
四季「カルシウムや鉄分を含まれているから、怒りっぽいメイには接種を推奨する」
メイ「よし、一発殴ってやるから覚悟しろよ」
四季「そう、きな粉にはアミノ酸も含まれている――美肌効果もあり」
きな子「なな、いきなりきな子を押し出してなんなんすか~?」
四季「この通り、美肌」
メイ「や、きな子は関係ねえだろ!?」 クゥクゥ「しゅみれ~? ご存知でしたか? ココア豆とコーヒー豆は同じ実から生まれるそうなのデス」
すみれ「へえ~? あなたは博識なのね? また一つ新しい知識を身につけられたわ」
クゥクゥ「んー、褒めてくれるのは嬉しいデスが、そこは一歩、新しいトリビアはないのかと聞く場面デス」
すみれ「あなたの大好きなチョコレートにも、ココアパウダーは使われてるのでしょう?」
クゥクゥ「ハイ、溶かして飲むのが一般的だったそうデスが」
すみれ「というわけであなたの好きなホットチョコレート……作ったから一緒に飲みましょう?」
クゥクゥ「わーい、さすがしゅみれ! その匂いでククはチョコレートの事を調べたくなりました!」 ウィーン「かのん」
かのん「お、トマトソースちゃん」
ウィーン「そう、私がマルゲリータってやかましいわ!」
かのん「で、どうしたの? ……そのネコ」
ウィーン「餌付けしたら離れないのよ」
かのん「餌付けするからだよ」
ウィーン「お腹が空いたとばかりに泣くのよ?」
かのん「気持ちは分かるけど」
ウィーン「どうすればいいかしら?」
かのん「ウチはダメだよ!? 飲食店だから」
ウィーン「鳥がいるじゃない」
かのん「なおさらダメだよ!?」
ウィーン「ちくわぶ……オマエは……一人で……」
ちくわぶ「ニャ?」
ウィーン「……澁谷かのん~!?」
かのん「ああはいはい、恋ちゃんになんとかして貰おう!」 かのん「というわけで……マルガレーテちゃんにネコが懐いちゃったんだよ」
ウィーン「ネコ、じゃなくて、ちくわぶ」
ちくわぶ「にゃー」
恋「学校で飼うとおっしゃいましても……飼育委員の活動にも限界があります」
きな子「でも、この子可愛いっすねぇ……ところでちくわぶってなんすか?」
夏美「別名白ちくわとも呼ばれる練り物ですの、黒はんぺんなどと並んで全国区になりつつありますけど」
メイ「……(ヤバいヤバい、見ているだけで顔がにやけそうになる)」
四季「どうする~アイフル~」
ちくわぶ「ニャー」
恋「……」
千砂都「恋ちゃん! お散歩委員会とかいうワケの分からない委員会作って判を押そうとしてるよ!?」
恋「はっ!? あまりの可愛さについ!?」
すみれ「……クゥクゥは猫食べないわよね?」
クゥクゥ「ククは食べないデスよ?」
恋「いやぁ!? 私のわさんぼんがっ!?」
ウィーン「ちくわぶだって言ってんでしょ!?」
ちくわぶ「にゃー」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています