歩夢「なっ! 侑ちゃん! 教えてよ! なんで教えられないの!?」

侑「……私、音楽科に転科するって決意してから、これくらいの試練はあると思ってた。レズの童貞を捧げる代償に、大いなる音楽力を得るって有名な音楽科だもん。まぁでも、性的じゃない暴力で歓迎されるとは思ってなかったけど……」

歩夢「そうだよ! いくら夢を追うためとは言っても、侑ちゃんは怖いもの知らず過ぎるよ!」

侑「うん……ごめん歩夢。覚悟はしたつもりだったけど、想定が甘かった。それは認めるよ」

歩夢「それじゃあ──」

侑「でも、普通科(バイセクシャル)には戻らないよ。私は夢に殉じるって決めてるから」

歩夢「……。どうしても、考えを変えるつもりはないんだね?」

侑「うん」

歩夢「侑ちゃんのその決意を固めた目。私、大好き。でも、その目の輝きが、ときめきが失われることを、私は絶対見過ごせない」

侑「それでも──歩夢「だから」